副業としての個人開発は会社にとってメリットもかなりあるよ。
会社から、副業禁止の具体的な理由が語られることはあまりありません。
もし理由の説明があるとすると、表向きはこんな感じ。
- 副業に熱が入って平日の業務に差支えが出る。
- 土日にはしっかり休んでもらい、平日は仕事に精を出して欲しい。
業務に差し支えるので、というのがざっくりした理由です。
しかし、本音はここ。
- 会社のノウハウを持ち出されたくない。
- どこでも出来るので業務中にやるようになるのではないか。
- 副業で儲けると仕事に熱が入らなる。
業務に差しつかえるというのは嘘ではないにしても、本音はここにあると思っています。大手企業は知りませんが、僕の渡り歩いているような小さなWeb制作会社はこういった理由が、正直なところではないかと思います。
社員を管理していたい、という気持ちも少なからずあるのかな、と思います。
自分の利益のために力を出すなら会社のために力を使ってくれよ、と。
気持ちはわかります。
でも、IT業界においては副業をすることで、スキルアップできるというメリットもありますし、お小遣い程度の副収入でみんな会社をやめようとは思わないと思うんですよね。
副業はやるにしても内容次第。
副業の会社にとってのメリットを語る前に、副業をするといっても、その種類によるかと思います。
たとえば、古本を仕入れて売るセドリや、ヤフオクでの転売、自作のアクセサリーを販売、こういった実務と関係のない副業は、たしかに会社にとって大してメリットはありません。
(今後せどりビジネスも会社では視野に入れている、とか在庫抱えてネットショップをやるとか、そういうことであれば多少のメリットはあるかもしれませんが)
土日は仕入れで疲弊、平日は業務時間も落札者とのやり取りなんか時間を使われたらたまったものではありません。
コンビニや居酒屋で深夜バイトとかも同じです。
でも個人開発は、個人にとっても会社にとってもメリットはあると思うんです。
もちろん、ここから以降はIT系の開発事業に携わっている人の話です。
自分の時間を使ったスキルアップは収益にもならないと本気度が薄い。
よく会社では、自分の時間を使ってでもスキルアップをしなさい、ということを言われます。たしかに他人に言われて勉強するのではなく、自発的に勉強することは良いことだと思います。
しかし、どれだけの人が自発的に勉強してスキルアップできるでしょうか?
スキルアップの話をすると、何をしたら良いのか分からないといった表情をする人がほとんどです。
たとえば、会社でアプリ開発を事業にしていきたいから勉強しておいて欲しい、とだけ言っても、どんなアプリを作りたいのかによって習得するスキルも変わってきます。
スキルアップと言っても、会社から具体的な課題やゴールを与えないと、単純にスキルアップをしろ、と言われても暗中模索になってしまうのです。
しかし、個人開発は明確に自分で作りたい物、目標があるわけです。
ですので、その課題に向かって学習するという意味で、非常にスキルアップの効果があると思います。
副業で得たノウハウは実務でも必ず役に立つ。
「副業=お金儲け」ではなく、スキルアップやノウハウ習得という面でみると、会社にとってはかなりのプラスになると思います。
たとえば、今後会社でアプリ事業を始めたいとなった時、個人開発ですでにノウハウを持っていれば、すんなりと開発に入れると思います。
もちろん、やりたいことによって新たに技術検証や調査は必要ですが、会社の時間を使ってゼロから言語を習得するための時間を与えるよりははるかに効率的です。
少なくとも、アプリやWebサービスのリリース経験があれば、段取りが分かっているので、改めて調べるという手間はなくなります。
受託案件でクライアントの相談を受けた際でも、個人でリリース経験があれば、ちゃんと説明できますよね。
多少なりとも本人がそれでお小遣いを稼いでいようが、会社にとっては損はないはずで、むしろプラスのはずなのです。
損得のない勉強は身につかない。
たいていの人が、自分の損得が絡まないと、なかなか本気になれません。
特に会社は、ネットサーフィンしていようが、寝ていようが、上司に見つかれば注意されたとしても、毎月固定の給料だけはもらえます。
副業は自分の頭で考え、工夫して、頑張っただけ報酬を貰えます。
会社の仕事でやる気がいまいち出ないのは、いくら頑張っても給料はそうそう増えないこと。たいていの人が安定(固定給)を求めているので、給料以上のやる気がでないのだと思います。
たとえば、インセンシティブ制の営業の方は、契約に応じて給料も増えるので、夢中になって頑張ると言います。(中にはサボってパチンコなどに行っちゃう人もいるらしいですが)
何を言いたいかというと、自分の頑張り次第で報酬が上がるのというのは、取り組みへの本気度に繋がります。
会社でやらされているスキルアップには本気度が薄いのです。
胸を張って個人開発を自慢できる環境が理想的。
副業が禁止されている会社では、なかなか個人開発で作ったサービスとかアプリの自慢とかできません。なので、SNSとかでちまちまと宣伝したり、ブログに収益のことを書いてみたりするしかないのです。
会社でも「俺、こんなアプリ作っちまったんだぜ!」「アプリで毎月幾ら稼いでる」とかそういうのをオープンに出来る環境は理想的ですよね。
企業でも副業が解禁されているところも増えていると聞きます。
同じ副業でもスキルアップにつながるような副業であれば解禁する、とか徐々に緩和されていくと、人材も勝手に育ってくれますし、企業にとってもプラスなのではないかな、と思います。