僕は割と大手の企業から小さい制作会社へ転職しました。
同じ企業といえど人数や組織体制がきちんとできている大手企業と、社員数名の小さい会社では働き方自体が大きく違います。
僕は最初は馴染めず随分と悩みました。
小さい会社のWebサイトに組織図が書いてあるようなことがありますが、実際には組織なんて名ばかりで、ひとつの部署に人がひとりなんていう滑稽な組織体制であることも多いです。 それゆえにひとりひとりの仕事の裁量から社員教育など大手企業のそれとは大きく異なります。
キャリアアップを目的に大手企業から小さな会社へ転職した場合、新卒や第二新卒の方が小さな会社に入られる場合は予め覚悟しておいたほうが良いことが多々あります。
それを知らないと入ってからイメージしていたのとは違っていた、などのギャップから転職を繰り返すようなことにもなりかねません。
実際に小さい会社で働き、経営に携わっている僕の経験も踏まえて、小さい会社に入る前に確認しておきたい、覚えておきたいことをまとめてみます。
大手企業から小さな会社に転職を考えている方、これから小さい会社に就職を考えている方の参考になればと思います。
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肩書きを超えてなんでもやらないといけない。
小さな会社ではひとりひとりの仕事のウエイトが大きくなります。
たとえば制作者であっても、見積書の作成などお金の管理から実制作の管理までトータルで仕事を担当する場合も多いです。
そういう部分が小さな会社でのやりがいではありますが、役割分担が詳細化された大手企業のような感覚でいるとついていけなくなります。とにかく肩書きとか関係なく、自分の専門外のことでも必要に応じてやらなくてはいけません。
会社に育ててもらおうという発想は通じない。
ひとりひとりの仕事のウエイトの話をしましたが、その中で先輩社員にOJTのようなことを求められても厳しいものがあります。
特に第二新卒で入ったりしても電話の取り方も何も教えてくれません。
社会マナーから仕事の仕方まで、すべて自分で学ぶ姿勢でないとやっていけない場合も多いです。(だから制作業界、電話も満足に取れない人も多いのですが、、)
ですので、会社で育ててもらおうみたいな甘い考えで小さな会社の門を叩いても、実際に入ってみるとついていけずにすぐに辞めてしまったり、試用期間でお役御免となることもあります。
大手企業から小さい会社に入ったがために、やたらと転職回数が増えてしまうような方もいるみたいですので、それなりに覚悟を持って転職したいところです。
フローとかルールとかレギュレーションとかない場合も多い。
制作のフローだとかレギュレーションが確立された中で制作を進めたい人とかは向いていない会社もあります。どこの会社にもそれなりにレギュレーションなどはあると思うのですが、みんな自分の好きな作り方で作ってしまうので、ルールが崩壊しているような会社も多いように思います。
特にエンジニアなんて自分の好きなフレームワークとか好き勝手に取り入れたり、自分の今まで使っていた関数なんかをそのまま持ってきて自分ルールで開発を進めたりしているので、開発のルールなんてあってないようなものです。
大手のようにそういったことを統括しているマネージャーなどもいないので、無法地帯になっているような場合が多いです。
ちゃんとルールとかレギュレーションがないとダメな神経質な方には向いていない会社も結構あるので、最初によく確認しておきたいところです。
逆をいえば、これからそういうルールを自分で作り上げていくことが出来る、というやりがいもあります。
社会保険などの福利厚生はきちんと確認。
中には保険に関しては国民保険で個々人で払っている会社もあります。
特に創業間もない会社だと会社で負担する社会保険などの制度を導入していない企業もあります。保険の負担は大きいですから入社前にきちんと確認しておくことが賢明です。
仕事面や給与面に目が行きがちですが、あって当たり前の福利厚生がない会社もあるので、気をつけて確認したいところです。特に僕のいる制作業界では、社会保険に入ってない制作会社も多く見られます。
退職金なんてまずでないところが多いです。
人の替えが利かないので、有給取得が難しい。
会社にもよりますが、小さな会社ではひとりひとりの仕事のウエイトが大きくなります。ブラックだとかホワイトだかと色々言われますが、大手企業並みに有給をしっかり消化して、なんてことを考えているのであれば小さな会社には入らないほうが良いでしょう。
人が少ないということは、自分が休んだ際の替えが効かないということです。
僕が勤めている制作業界では、平日に有給をとったとしても会社からお客さんからの電話が容赦なくかかってくることも多々あります。
小さな会社にしか入ることができなかったのであれば、自分の運命を受け入れるしかありません。
社長はほとんどワンマンです。
小さい会社の社長はワンマンです。ワンマンという言葉はネガティブに捉えられがちですが、逆に組織やチームが成り立っていないような小さい会社では社長の裁量で物事を進めていかなければなりたちません。
僕は小さい会社の経営に携わっていますが、いちいちみんなの意見を聞いて、とか相談してなんて悠長なことを言っている場合ではないことも多々あります。
組織として人数もチームもそれぞれきちんと機能しているような会社であれば、現場レベルで動いていくので社長がワンマンということもないかもしれません。
しかし、組織も未成熟な小さい会社では社長がワンマンなのはしょうがない部分もあります。その辺は覚悟しておくべきです。
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なんでも自分でやってみたい、好奇心旺盛なガッツある人には向いている。
小さな会社でも経営者やスタッフによって雰囲気や仕事の進め方もまちまちですので、一概に悪い点ばかりではありません。小さな会社の働き方のほうがあっている方もたくさんいると思います。
大手企業のように確立されていない部分がある反面、自分のやる気と自主性次第では自分でルールなどを組み立てていけるというやりがいもあります。
小さな会社の社長はそういったルールなどを組み立てて自主的に動ける人を求めてます。早く自分が動かなくても動く組織を作りたいと考えている方がほとんどです。
企業の歯車になりたくない、将来は独立したい、と思っている方には仕事全体を把握できるのでオススメです。
僕は小さな会社生活に慣れてしまったので、もう大手企業では働けなそうです。
(その前に採用してもらえる自信もありませんが。。)
入る前にある程度状況を把握してからそれなりの覚悟を持って入社したほうが長続きするような気がします。小さな会社にも良いところはたくさんありますので、転職や就職を検討中の方の参考になればと思います。
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