制作業界で、無意味な残業をほぼゼロにするためにやってみた働き方のルール。
制作業界に勤めるのであれば、残業や徹夜は当たり前、といった風潮があります。
どこの制作会社でも、残業残業で結構厳しいよと言う話はよく聞きます。
専門学校を出たての新卒で採用面接に来た方で、不安そうな表情で残業はどのくらいしょうか、と聞かれる方も結構います。制作業界の労働時間の過酷さについてはネットや専門学校で聞いてきたのでしょう。
以前勤めていた制作会社では、どこも徹夜や深夜残業は当たり前でした。
みんなが遅くまで残るもんで、21時前に帰ったりすると、同僚や社長から楽してるとか頑張っていないみたいな視線や評価をされることもありました。
しかし、今の制作会社はほぼ残業ゼロです。
定時から帰りの支度をするまでのタイムラグ10分~20分程度で毎日帰っています。
もちろん対応に追われて残業することもありますが、毎月数える程度です。
僕は、制作業界だから残業は当たり前、残業している人は偉いみたいな風潮に嫌気がさしていたこともあり、今の制作会社では意味ない残業を徹底的に減らそうと思っていました。
残業しないと言いつつ、単純に社員の人数を増やしたり、仕事の数を減らして売上が下がってはまるっきり意味ありません。
ですので、社員の人数は増やさず、売上も減らさずに定時退社できるにはどうしたら良いか、ということを考え色々試してきました。
今回は、その中で実際に効果的だったことを書いてみます。
中にはガッツリ残業して長時間働くことが大好きな方もいるので、残業嫌いな方や上司の残業武勇伝を聞き疲れたような方に読んでもらえると幸いです。
僕のやり方が、働きやすいかどうかで言うと、窮屈な面も人によってはあるでしょう。
しかし、売上を落とさないよう案件数をこなし、かつ社員の給与を上げられるようにするとなると、ある程度時間とルールを徹底していかないといけないです。
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フレックスタイムは導入しない。
自分の経験から、フレックスタイムを導入している会社は総じて残業しがちになると思います。出社時間がばらばらということは帰る時間もばらばらですので、遅く出社した人の時間に早く出社した人が合わせるようなこともあり、効率が悪いと常々感じていました。
もちろん、家庭の事情や時間差通勤など様々なことに配慮した制度だということは分かっています。しかし、残業しないという面からいうと効率が悪いと僕は思っています。
以前勤めていた会社でも昼近くに出社してきた先輩の時間に合わせて作業していたために、毎日3時間以上の残業を不本意にさせられていた経験があったので、フレックス出社制度についてが良いとは思えません。
始業から足並み揃えて働かないことには、定時退社の道は険しいのです。
後から出社してるのに、遅くまで頑張ってる感出すような働き方は個人的に大嫌いなので、フレックス出社制度については絶対に導入しまいと誓っています。
フレックスなら一層のこと僕は会社に行きません。
昼休みは一斉に取る。
制作会社では、人によって作業がまちまちなので、昼休みはずらして取ったりしているところも多いです。基本的にはそれでも良いと思うのですが、よほどの理由がない限り12時なら12時にみんなで一斉に昼休みを取ることにしています。
なぜなら昼を1時間ずらすことで残業に繋がることもあるからです。
例えば、エンジニアのAさんが13時から一時間昼食に出ている間に、ディレクターBさんがシステムの修正依頼をうけました。Bさんが戻ってくるまで対応は待たないといけません。そうすると一緒に昼食を取っていた時に比べて、クライアントに報告するまでに1時間程度のタイムラグが発生します。
そこからクライアントの確認を待つわけですので、少しずつ時間は後ろにずれていきます。1日の勤務時間が8時間ですから定時退社しようと考えると1時間のタイムラグが場合によっては残業に繋がります。
ですから、これは少人数の会社に限っての話なのかも知れませんが、定時退社を目指すのであれば、みんな同じ時間に足並みそろえて休憩を取ることが賢明だと思います。
朝礼と終礼を行う。デスクで朝食を取るならその前に。
よく出社してから朝食をデスクで食べる人がいますが、これも時間の無駄だと思います。
残業しないということは単純に労働時間を減らすということではなく、時間の無駄なく働くことだと思います。休み時間でもないのに、始業時間ギリギリに出社して、そこからネットサーフィンしながら朝食を食べて仕事を始める、という塩梅で仕事を開始する人が結構いますが、これも残業の原因の一つだと思います。
いや、別にそれで仕事がはかどるなら良いかと思うのですが、総じてそういう人は残業も厭わない働き方をする方が多いです。本人の勝手だとは思いますが、会社全体として残業を減らしたいのであれば、こういった無駄な時間の使い方も減らすべきです。
ですので、朝礼と終礼はきちんとするようにしています。
終礼は帰りやすい環境作りに役立ちます。
いちいち上司の顔色見ながら「あの、、今日はそろそろ帰ります」なんて言うよりは、終礼として自分が今日のノルマ達成しているのであれば、それをきちんとみんなの前で報告すれば帰りやすいと思うのです。
あと、終業で一旦区切りをつけることでダラダラと働くことの抑止にも繋がります。
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クライアントの修正依頼に対して時間をきちんと引く。
制作業界で残業が多いのは、結局クライアントからの注文も残業時間帯にくることが多く、それに対応するために必然的に残業となってしまうこともあります。
夜遅くに対応してくれないから受注出来ないということはまずありません。
(案件によっては深夜0時アップなんていうのもありますが、これはWebの特性上しょうがないとは思います。)
例えば、16時までに受け付けた修正はその日のうちに、それ以降は翌日以降の報告になるということを、予めクライアントにも伝えておくことです。
きちんと伝えておけば緊急でもない限り、文句は言われません。
こういう時間調整をしないで、言われるがままに作業を受けて、すべてその日のうちに対応しようとするから、やらなくても良い残業が増えるわけです。
とにかく上司が早く帰る。残業したければ朝早く出社する。
上司が帰らないと帰れません。これはどこの会社でもそうです。
中には堂々と帰る人もいると思いますが、みんながみんなそうではないので、やはり自分の判断で帰りやすい環境つくりも大切だと思います。
そこで、一番手っ取り早いのは先に上司が帰ること。
まずは上司から定時退社の見本を見せないといけないと思います。
もし、残業するのであれば朝。僕はみんなより1時間半くらい早く出社しています。
残業でないかというとこれも残業になるのですが、そういう努力をしないとなかなか会社全体が定時に帰るというムードは出来ません。
最初は不安です。
自分が帰ることで、終わってないのに帰っちゃうんじゃないかと思いました。
終わってないのに帰ったら注意すればよいし、スケジュールを相談すれば良いし、まずは自分が先に帰ってみてどうなるか運用していけばよいと思います。
定時退社は帰るの決まった時間に帰ることが目的ではなくて、時間内に終わらせることだということ。
残業しないで帰るというのは良いことですが、ひとつ気を付けないといけないのは、それが習慣化して、何が何でも帰る、焦って帰るということです。
WebサイトやWebサービスは24時間365日稼働するものですので、不具合やこちらの不手際があった場合は時間に関係なく対応しなければなりません。
それはWeb制作という仕事をしている以上しょうがありません。
それをブラックなどというのであれば、少なくともWeb制作の仕事はしない方が良いのかな、と僕は思います。
仕事が終わってないのに、定時に合わせて無理矢理帰ろうという認識を持たれると、ちゃらんぽらんに仕事をするような社風になってしまうので、そこだけは社内で認識合わせを徹底しています。
案件の状況にも依りますが、取り敢えず今のところは、このルールで残業ほぼゼロで去年くらいから運用出来ています。
新しい人が入ってきたらどうなるかは分かりませんけれど。