制作費の価格破壊は値下げではなくて、出来ないことを断れないところから始まる。
よく制作業界では制作費を落としてしまうと制作費の価格破壊が起こってしまうから制作価格を絶対に落としては駄目だ、ということが言われます。
僕はそれはちょっと違うのかな、と最近考えています。
企業間取引きにおいては、少なくとも僕の携わっている10年くらいは価格破壊がそんなに起こっているとは考え難いです。(あくまで僕の経験の範囲ですが)
昔はもっと儲かったという話も聞きますので、もしかしたら価格破壊が起こった後に制作業界に携わっただけなのかも知れません。
しかし、純粋に単価が下がっていなくても、価格破壊は起こり得ると思っています。
実際に制作会社の経営に関わっている僕としては、見積り時の制作単価云々より、制作進行中の工数的な価格破壊を気にしています。
制作費の価格破壊とは、単純に値引かないとか安い値段で出さないとか、そういう事だけではないと思います。
価格破壊を防ぐために、実力や実績がないのに強気の制作費を出しても、相手は信用してくれません。実績がない分費用は安めにして欲しい、そう思うのは当たり前の話だと思いますし、そもそも発注を貰えなければ価格破壊も何もあったもんじゃありません。
でも、実際に制作現場では価格破壊はいつでも起こり得ます。
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クラウドソーシングでは制作単価の価格破壊はすでに起こっている。
単純な制作単価の話でいうと、制作単価の価格破壊は始まっています。
価格破壊と言ったら失礼なのかも知れませんが、クラウドソーシングなどではすでに個人事業主の方などが、通常のBtoBの取引きでは考えられないくらい安い制作費で制作を請け負ってくれるようになっています。
ロゴなども数万円で作ってくれるので、発注する方としては大助かりですが、完全に値崩れしていると思います。
僕も会社でマッチングサイトを使ったことがあるので分かるのですが、そういうところで相見積を出しているのは、個人やこれから起業する予定で企業のような予算を取れない人たちが多いです。
自分が会社を立ち上げる時のことを想像してみると分かるのですが、Webサイト制作で企業のように何百万も払えない人が多いのではないでしょうか。そういった人たちが利用しているので、総じて予算が安く、その単価でも受注できる方や企業が集まっています。
僕は、クラウドソーシングによって制作の受発注の敷居がかなり下がったことは良いことだと思います。しかし、制作単価の面でいうと完全に価格破壊が起こっていると感じます。
ただし、それはクラウドソーシングやマッチングサイト上でのことで、冒頭で述べた通り、それなりの企業と付き合ううえでは価格破壊が起こっているとは考えにくいです。
もちろん、企業の広告費圧縮で予算自体が縮小することはありますが、制作費の単価を落とすということをしている制作会社はあまり見かけません。
出来ないことを断れない状況が、本当の価格破壊を生み出す。
もう一案だけデザインを欲しい。
最後にもう一回だけ修正して欲しい。。
こういったお願いは、制作を進めていく過程で何度となく受けます。
制作では最後という言葉が最後ではないことがかなりあります。
Webサイトは印刷物と異なり、すぐに修正出来てすぐに修正を反映することが出来ます。ですので、まだ「検収は済んでいない」ということでいつまでも修正を強いられるケースがあります。
正直なところ、発注者との主従関係は完全に解消することはありませんので、クライアントによってはこういった追加修正などが断りにくい場合も多いです。
そこで無下に断ってしまうとサービスが良くないと思われて、次に繋がらないんじゃないか?そんなことが頭をよぎってしまいます。
営業がいない制作会社だと、クライアントとのお付き合いの継続はすごく大切なことなので、最初の印象を良くしようと思い、ついついサービスしてしまいがちです。
時には、それが過剰なサービスに繋がることもあります。
一度サービスをしてしまうと、次に断る、線引きをするタイミングが難しくなってくることもあります。(なんでこれはサービスでやってくれたのに、こっちは駄目なんだ!とか)
窓口としてクライアントを接したことのある方であれば分かるかと思います。
ここに本当の価格破壊があると思います。
それなりの金額で受注しても、結局金額(工数)以上のことをやってしまうと工数赤字になってしまうのです。
制作費に対してやり直しは幾らでも利くのがWebサイト制作なんだ、と思われてしまうところに問題があると思うのです。
追加作業は追加作業!見積り範囲外の作業は範囲外。
これをきちんと主張できる勇気を持つことが制作費の価格破壊防止に繋がり得るのではないかと思います。
そんなもんきちんと交渉すれば良いことだよ!と思われる制作者もいるかと思います。
しかし、実際にクライアントと対面してみると結構圧しの強い方もいらっしゃいますし、今後の付き合い方などをほのめかして交渉してくるような方も結構います。
取引きがなくなれば会社は困るし、なかなか難しいものです。
気を付けないと、制作進行の過程で制作費の価格破壊は容易に起こりえます。
僕は、予算がなければ予算なりの制作で済むことが価格破壊を防ぐ道なのかなと思います。
制作費の高い安いだけが焦点となって制作業界の価格破壊が語られますが、受注した後の制作の進め方をきちんと考えるべきなのだと僕は思います。
この問題は僕の深刻な課題でもあります。
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小さな制作会社の経営で感じた、人を雇うということ。
制作業界には、個性的というかアクが強い方が多いです。
それぞれに色々な考えを持っている人がいるので、時には考えが食い違って衝突することもあります。そういう人達をまとめるには、ルールを作ったり、納得いくまで説得したりとかなりの苦労が伴います。
同僚であっても個性の強い人と一緒に働くのは苦労しますが、雇ってまとめるとなるともっと大変です。
今回は、雇うという立場から感じた、人について書いてみます。
僕は自分でやった方が早いと思ってしまうような、チームプレイというより単独プレイを好む性格なのですが、必要に迫られて組織運営をしてきました。
人を牽引していくような力量や、リーダーシップがあるような人間ではないので、僕の前を通り過ぎて行った人たちも結構います。今でも出来れば人を管理するのは誰かにやって欲しいとすら思っています。
そんな中で、それなりに自分で考えてやってきて気が付いたや感じたことを書きだしてみました。あくまで個人の所感なので悪しからず。
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自発的に動ける人なんてほとんどいない。
指示待ち人間と言う自発的に動けない人を揶揄する言葉があるくらい、自発的に動ける人を会社は求めてしまいがちです。
言われなくても行動出来る人、自分から企画提案出来る人、とにかく指示を出さなくても動ける人が好まれます。
自分が雇う立場になると、確かにそう思います。
自分の代わりにやってくれる人、言われなくてもやっておいてくれる人が一番助かります。
しかし、そういう人ってほとんどいません。
能力がどうこうではなくて、自分が求めているのが結局「自発的に動ける人=自分の考えと同じように動く人」だからです。
実際に自分からどんどん動ける人がいたとします。
例えば新サービスを作りたいから周りの社員に指示してどんどん進めてしまう。
でも、それはそれで困るわけです。
相談なくして自発的に動かれるのはNG、でも自発的には動いてほしい。でも、いちいち相談すると今度は、いちいち相談しないで自発的に動いてほしい、となってしまう。
何とも矛盾しているような感じになってしまうのです。
自発的に動いても自分の考えとは反対に動くような人は好ましくありません。
よく会社に新しいアイデアを、とか新しい風を吹き込んでくれる社員を募集中、なんていう求人を見かけますが、あれ半分本当で半分嘘だと思います。
結局、経営者が気に入る結果やアイデアを持って来ないと認めてはもらえません。
いくら新しいアイデアでも、経営者の考えが変わらない限りは新しい風を吹き込んでも意味なかったりします。
社員に自発性を求める時、どこまでの自発性を求めるのか、自分の中で求めている自発性と向き直る必要があると思います。
それをしないで、単純に自発性だけを求めるとストレスが溜まる原因になるのかな、と感じました。
見てなきゃ人は絶対にサボる。
自分もそうですが、上司とかが見てなきゃ大半の人は多少サボります。
サボるという言葉は悪いかと思いますが、人間の集中力なんて持ちませんので息抜きにおしゃべりしたり、ネットサーフィンしたりと、仕事に関係ないことをやるもんです。
僕も息抜きぐらいしますし、特に集中力がない方だと思います。
そこに対して目くじらを立てて指導しようとすると、お互いにストレスになります。社長さんによっては社員を管理したがる方がいらっしゃるようですが、現場上がりの僕からすると、管理されているような状況で制作の仕事はしにくいと思います。
ですので、そのサボりで進捗が遅れたり、業務に支障が出てくると話は別だとは思いますが、多少は大目に見てやっても良いのかな、と感じました。
しかし、その多少の部分が人によって異なるので、どこまで大目にみるのかのさじ加減が難しいところです。(本当にサボりまくってバグだらけだったりすることもあるので。。)
ルールを作るとルールを管理するという手間が出てくる。
色々な人がいると色々なことをする人がいるわけで、会社の運営上ルールを設けないといけないこともあります。
会社のルールって社会人になっても小学校並みのことが多いです。
例えば遅刻しない、とか業務報告きちんと出す、とか本当に宿題忘れたレベルのことがきちんと守れない人がいるので、ルールが必要になります。
きつく縛るつもりはなくても、ルール化しないと守れない人もいるので、一部の人のためにルールは作ります。
ルールを作ることで状況が改善するかと言うと、それはそれで管理が必要になってきます。ルールを作るのは簡単です。
しかし、ルールを作るということは、そのルールを守らせるために誰かが監視しないといけないし、ルールを破れば罰則なり注意なりしないといけません。その誰かって自分だったりします。
縛られたくない人はルールに反発しますし、時には辞めていく人だっています。
すんごいストレスです。
組織として会社を運営していくうえで、ルールの運用というのが意外と大変だと感じました。新しい人が入るたびに「頼むから問題行動しないでええ!ルールがまた出来るとう厄介だから!」と未だに思っています。
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当たり前のことを当たり前にやってくれる人が一番。
真面目、サボらない、ミスが少ない、嘘を付かない、とか当たり前のことで十分だと思います。逆にスキルがあっても調和を乱すような人は厄介です。(新しいルールが出来たりするので)
マメに報告を貰えるとかそんなことが大事だったりします。
要は信用して仕事を頼める人というのが、まずは大切なのです。
それ以上のスキルやアイデアなんかを求めるのであれば、まずは経営者が自分自身でアイデアを出し、それを成功なり軌道に乗せる必要があります。
出来てないうちは、思うような人材が集まるということはないのではないかと思います。会社に入る人も、面白いことや凄いことの実績がある会社であれば、何か自分もチャレンジ出来るかも知れない、面白そうな会社だと思って応募してくるわけで、何もない会社が良い人材だけ求めてもしょうがないのかなと思います。
ビジネスで制作を進めていくうえで、一番大切なのは品質もそうですが、時間感覚です。アート作品のようにデザインをこだわるあまり、見積り工数以上の時間を平然と費やすような進め方であれば、ビジネスになりません。
僕は、真面目に時間と要件を守って制作をしてくれる人がいれば、今はそれで満足です。そこから先は経営者次第なのかと思います。
業務用ホッピーで自宅で居酒屋の雰囲気を再現してみた。
去年くらいから業務用ホッピーに嵌ってまして、休日ともなると16:30くらいから飲んでます。最近、平日禁酒をしているせいか、休日は酒を飲む時間から逆算して行動しているような塩梅になってしまっています。
さて、業務用ホッピーは何ぞやと言うと、居酒屋で出てくるホッピーで、スーパーなどで売っているホッピーと少し違います。
味は変わらないのですが、居酒屋で飲んでいる雰囲気を存分に堪能することが出来ます。業務用ホッピーさえあれば、ツマミなんて何だって良くなってくるくらい、業務用ホッピーの存在感は僕にとって特筆すべきものであります。
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業務用ホッピーの魅力
容量の違い
まず、容量が違います。
一般的に小売りされているホッピーは330mlに対して、業務用ホッピーは360mlですので、30ml多いのです。
居酒屋でホッピー1本に対して中味(追加焼酎)を3杯飲もうとすると、この30mlの差は大きく出てくるのです。
色々な酒場を回ってきたリターナブル瓶が醸し出す無骨な存在感
業務用ホッピーは容量が多いことも去ることながら、瓶を握った時のグリップ感が居酒屋のカウンターを彷彿とさせます。一般的なホッピーの瓶は細いので、握った時に頼りない感じがします。その点業務用ホッピーは握った時の安定感があります。
重いジョッキと重いホッピーの瓶で飲むのが、気取らない居酒屋の雰囲気を醸し出してくれます。
また、白一色で直接瓶に描かれたシンプルなラベルが実に良い。カラフルでなく一色で描かれたラベルが女子供が飲む物じゃねえ!と言っているように感じます。
リターナブル瓶なので瓶に傷が付いており、色々な居酒屋で様々な酔っ払いに握られてきた歴史を感じます。
この存在感は業務用ホッピーにしかありません。
氷は入れずに三冷で。
居酒屋で飲むと氷が入っていることも多いですが、家ではキンキンに冷えたホッピージョッキにキンキンに冷えたキンミヤ焼酎とホッピーという三冷で飲んでいます。
(ジョッキ、焼酎、ホッピーの3つが冷えているので三冷というそうです。)
以前は氷を入れて飲んでいたのですが、考えてみるとビールに氷を入れて飲みませんし、ホッピーもビールに近い飲み物をして考えた時に、氷を入れないで飲んだ方が良いんだろうな、と考えを改めました。
しかし、ジョッキに三冷でなみなみ注ごうとすると、ホッピーの2/3以上を費やしてしまいます。ホッピーは一瓶で焼酎の中身を2杯から3杯はいきたいところです。
居酒屋ではないので、あまり気にせずに贅沢にホッピーをガンガン入れてしまっても良いと思うのですが、居酒屋っぽさを出すにはせめて焼酎のお替わり2杯はいきたいところです。
最初に1杯は、三冷で飲むますが、なみなみ注がれていないジョッキは少し寂しい気もするので、2杯目以降は氷を入れたりしてかさまししながら飲んでいます。
ちなみにホッピーのジョッキについている星には意味があって、ジョッキの下に付いている2つの星が焼酎を入れる目安だそうです。
この割合でホッピーを注ぐと美味いホッピーの黄金比になるそうです。
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業務用ホッピーはKYリカーやマインマートなどのお酒の量販店で取り扱っていることが多いです。業務用の方が多少値段が高いですが、酒屋さんに持っていけば1本10円で買い取ってくれます。
子供の頃のお小遣い稼ぎと言えば、農協にカミキリムシを持って行って買い取ってもらうか、酒瓶を集めて酒屋に持って行って換金するくらいでした。
そんな昔の酒屋との関わり方を再度思い出させてくれるのも業務用ホッピーです。
制作しかやったことのない僕が、苦肉の策でやった営業の話。
僕が今のWeb制作会社立ち上げ時にやってみた営業の話を書いてみたいと思います。
制作者の中には案件があって当たり前、と思っているような方もいるのではないでしょうか。僕もその一人ではありましたが、自分で実際にやってみると仕事を取るということがいかに大変なのか痛感しました。
自分で営業らしきことをやってみて分かったのは営業マンって大変ということ。
そもそも、僕は今まで営業をしたことがありませんでした。
制作の仕事であればデザイン以外はすべてやったことがありましたが、営業して仕事を取ってくるということは一度もやったことがありません。
Webサービスで食っていくという意気込みで立ち上がったスタートアップ企業でしたが、僕はWebサービスは何年もかけて運用して当たるか当たらないか、という世界だと思っていたので、補填となる受託制作のことを最初から考えていました。
Webサービスを作りつつ、Web制作の受託の仕事を取るためにやったことのない営業活動も同時に進めました。 結果として、僕がやった営業活動はまったく仕事に結び付きませんでした。
誰の参考にもならないかと思いますが僕の思い出のために記しておきます。
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同業や広告代理店への売り込みDMメール配信
HTMLコーディングやシステム開発のお手伝いをします、みたいなテキストをつくっておいて、採用サイトやWeb制作会社データベースなどでリスト化した制作会社や広告代理店のお問い合わせフォームから連絡しました。
資料請求みたいなところから送ってしまい、わざわざ「おたくには絶対発注しません」という怒りのメールをいただいたこともありました。FAXを送ったら「余計なもん送るから紙代かかってしまった。今から用紙代持ってこい!」と電話がかかってくるようなこともありました。
その一方、たいていの会社からは何の反応もないのが普通でしたが、同業の制作会社だと話を聞いてくださる会社もありました。情報共有みたいな感じで呼ばれる場合もあり、中にはこちらの営業どころか自社のPRをしてくる会社もあり、何をしに行ったのか分からないようなこともありました。
で、実際に発注にいたった会社は一社もありませんでした。
勇気を出して飛び込み営業
飛び込み営業と言っても、会社案内を用意してアポなし訪問して、会社案内を手渡しするような感じです。ネットで広告代理店を検索して、これも片っ端からリスト化し、GoogleMapに場所を落とし込んで、あとは地図アプリを見ながらアポなしで企業を訪問するということをやりました。
その当時、iPhone3Gでしたので、Mapアプリを見ているとすぐに充電がなくなってしまい、どこか充電できるところがないか探しながら歩いていました。
飛び込み営業って勇気がいりますが、何より一番応えたのが、不審者を見るかのようなあの目!
何だお前何しにきた?!みたいな怒気をはらんだ視線で追い返された会社もあります。
仕事中に突然アポなしで入ってくるわけですから、僕が逆の立場であっても不信感を前面に出して接するかと思います。
やられてみるとこれが一番応えました。
そんなこと言っていたら営業なんかできないよ、と言われるかと思いますが、制作現場ですでに決まっている仕事をこなしていただけの僕には、感じたことのないストレスでした。
革靴で足を棒にして歩き回り、辺りが暗くなり歓楽街の明かりを見た時には、感じたことのない寂しさを感じたのを今でも覚えています。
飲食店や企業のポストへDM配信
飲食店の入っている雑居ビルや、企業のポストにWeb制作のDMを配って回ったこともあります。最近ではリタイアした方が家のポストにDMを配信して回っている姿を見かけますが、あれと同じことをスーツを着て飛び込み営業しつつやってました。
よくある町内会の掲示板にDMを貼ったりもしていました。
2日くらいかけて、飛び込み営業しつつ200枚くらい配りましたが、電話もメールも一件も来ませんでした。不動産関係の方に聞いたところ、そんなもの何万件も毎日のように配ってやっと問い合わせが一ケタくるかどうかの世界だよ、とのことでした。
周りにいた人にも無理があると思ったなどと後から言われて、「だったら何でとめねえんだよ!」と掴みかかりたくなった記憶があります。
この時の経験があるので、家のポストにやってくるDMおじさんに「ああ、チラシはいらないよ!」と無下に追い払うことが僕には出来ません。先日も庭を掃除していたらDMおじさんが来たので、有難く手渡しで物件売却のチラシをいただきました。
楽天ビジネスでお仕事マッチング
お金はかかりますが、仕事をマッチングしてくれる楽天ビジネスも使いました。
当時はランサーズとかクラウドワークスなんてものはありませんでした。
営業がうまく出来ないのであれば、マッチングサイトで欲しい人に欲しいものを届けようということで、毎日のように楽天ビジネスの案件に見積りを出していました。
結果、受注にいたったのは1件。
3万円くらいの案件を受注して、デザイン案出したら連絡が取れなくなり、進めた分だけの費用を請求して終わった案件一件のみでした。
費用感が知りたいとか、まだやるかどうかは分からないので、制作会社の意見を集めている段階とか打ち合わせに呼んでおいて、案件をやるつもりすらないようなオーダーもかなり多かったです。
あと、費用がかなり安くないと取れない案件も多いです。
僕は所属していた制作会社や、その他の制作会社の単価なども知っていたので、平均的な単価から落としてまで、無理な仕事を取ろうとは思っていませんでした。
しかし、中には僕の中では破格とも思えるような値段で受注する制作会社や個人の方がおられるようで、大抵は相見積りで負けてしまいました。
お仕事マッチングサイトは見積りだけとか様子見で案件の依頼を出す人もいるので、その後使うのをやめました。
作ることしかできない人間は作って発表することが営業。
当時、デザイナーとマークアップエンジニア、僕がプログラムという体制で運営していたので、必然的に日中は僕が営業をしつつ、家や休日に自宅でプログラミングをするということをしていました。
仕事がなかなか取れずに悶々とした毎日の中で、どうしたら良いかということで悩んだ挙句、やっぱり僕には作るしかないという結論に達しました。
(というか、営業しても全然仕事取れないので、それしか出来ない!という結論です。僕は営業マンとしてはまったく使い物になりませんでした。)
その後、出来ることを一生懸命やって世の中に発表していくしかない、と猛烈にサービスを作ってプレスリリースを打ちまくりました。
そうすると、少しずつですが同じようなサービスを作れないか、とかサービスを作った実績のある会社を探している、といった問い合わせをいただけるようになってきました。
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事務所の場所大事!事務所を移転したら問い合わせが増えた。
以前の事務所は神奈川県にありました。現在は渋谷なのですが、渋谷に移転してから問い合わせは確実に増えました。
お問い合わせいただく方に、「どこからうちの会社を探してくれたのか」と聞くとたいていは、うちの会社の近くの制作会社を探していた、という企業が多いです。
声を掛けた一番の理由が「事務所が近い」って言われちゃうと複雑な気分ではありますが、地の利というものはあるのだと実感しました。
制作会社を探している人はみんな「渋谷 Web制作」とかで検索しているようです。
ですので、受託制作を仕事にするのであれば、事務所の場所は大事です。
今は、昔いた会社のクライアントから声を掛けていただいたりして、今はお仕事を定期的にいただけるようになりましたが、新規のクライアントを開拓しないといけないな、という危機感は常にあります。
営業がいないような制作会社は、せめてクライアントと長続きするように努力しないといけないと思います。気に入っていただけて継続して仕事をいただけるよう、対応をしっかりしていくのが制作者が出来る営業なのかと思います。
制作の世界だと文句言われたりする営業マンですが、毎日のような訪問して仕事を作り出す営業の方は凄いな、と思います。自分でやってみるまで気が付きませんでした。
独り飲みのどこが楽しいのか。
独り飲みをしない人は、している人って独りで飲んでて何やってるんだろう、って思いませんか?僕は妻などに良く聞かれます。
独りで飲んでて寂しくないのか、とか余計なお世話なことを聞かれます。
独りで立ち飲みしているのはおっさんと相場が決まっていますが、最近では仕事帰りの女性なども時折見かけます。独り飲みもかなりカジュアルになってきているのではないでしょうか。
独り飲みには独り飲みでしか得られない楽しみが沢山あります。
寧ろ居酒屋と酒を楽しむには、まずは独り飲みしかないと思っています。
じゃあどんなところに楽しさや喜びを感じているのか。
僕の考える独り飲みの良さについて考えてみました。
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好きな居酒屋に入れるし、自由にハシゴできる。
独りで飲みに行くと店選びから自由です。
誰かと一緒に行く時は、こういう店はうるさいから嫌じゃないか、とか個室が良いとか相手の趣向に気を使いながら店探しをします。しかも、良い店かと思って行ったら満席で居酒屋を探してぐるぐると夜の街を徘徊するような羽目になることもあります。
その点、独りはカウンターが開いてればさくっと入って、出るのも自由。
気になる店が何軒かあれば、その日のうちにハシゴして複数の店を楽しむことが出来ます。
僕の場合は酒がストレス発散であり唯一の楽しみでもあります。
誰にも縛られず、好きな店に入って好きな時間に帰る、これが独り飲みの醍醐味です。
自分の好きな物だけを頼んで独り占めできる。
人それぞれ好きな食べ物や嫌いな食べ物があり、人と飲みにいくとそれなりに頼む物も気を使わないといけません。飲み会って自分だけが食べるメニューって普通に頼まないじゃないですか。
あと、頼んだものもそこにいる人数を考慮して考えながら食べないといけない。
串焼き5本で5人の飲み会であれば、ひとり1本の計算になるから、1本しか食べられません。しかも、串盛り合わせの中でどれを食べて良いのか考えてしまいます。
一緒にいる人の好みや苦手なものなど考慮して、時には自分の食べたい物ではないものを仕方なく選択しなくてはなりません。
めんどくせえええええ!!!
そういうの考えただけで面倒臭くなります。
メニューをゆっくりみて、自分の好きなコースメニューを組み立てられる。
この居酒屋では何がおススメなのかとか、このメニューでこの値段なんだ、とか居酒屋のことをくまなく確認することが出来ます。
人と飲みに行くと、取りあえず串焼き盛り合わせで!みたいな感じで注文が雑になります。
自分の予算に合わせて、じっくりとメニューを吟味して自分だけのコースメニューを組み立てることが出来るのは独り飲みならではの贅沢な楽しみです。
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他人の会話に耳を傾ける喜び。
独り飲みでやることと言えば、本を読んだりスマホをみたり、ぼーっとしたりしています。もうひとつ、他人の会話に耳を傾けることです。
他人の会話の中からは、その人のストレスや考えていること、置かれている状況などその人の周りで起きている情景や生活なんかが垣間見えてきます。
酒が入ってない時は不快な他人の会話でも、酒が程よく入ってる時だとゆとりを持って耳を傾け、話している方の情景を思い浮かることができます。
本を読んだりするより面白い会話が聞けることもあります。
たいていはどうでも良いことや、酔っぱらってて呂律が回っておらず、この人たちはよく話が通じているな、と思うような方々もいますが、どうでも良いことに耳を傾けるゆとりも独り飲みならではだと思います。
居酒屋の独り飲みは独りではない。
居酒屋に独りで飲みに行くのは独りではないと僕は思っています。
店員がいて他の客がいて、人の声がする、その中に参加しているのが独り飲みです。
本当の一人は家の中で独りでテレビと向かい合いながら飲む晩酌です。
僕は知らない人に居酒屋で話かけられるのが苦手なのですが、それでもその雑踏の中が心地良くて独り飲みに出かけるのです。
なぜWebサイト制作ではWebデザイナーがレイアウトを考えないのだろうか。
デザインの本なんかを見ていると、レイアウトの組み方が載っています。
しかし、実際の制作現場だとワイヤーフレーム、つまりレイアウト構成をディレクターが作り、デザイナーはそのレイアウトに対して装飾や配色を施します。
制作会社によってだとは思いますが、僕の知っている制作会社だと大体そんな感じです。僕の会社でもそうしています。
別に文句があるわけではないのですが、これって不思議だなと思います。
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デザインの参考書には目線の移動から読みやすさなど、レイアウトについても載っているのに、実際の制作現場ではデザイナーがレイアウトをするということがあまりありません。
本来であれば、視線や導線など含めてデザインだと思うのです。
でもその部分はディレクターがやったりします。
商品や製品のデザインだって使いやすさとか持ちやすさっていうところからデザインされているじゃないですか。なので、読みやすいテキストと画像の配置や導線など含めてWebデザインなんじゃないのかなと思います。
そう考えると、デザイナーという肩書の定義、デザインするという作業の定義って何なんだろう、と思います。
しかも、そういう進め方において、クライアントからデザインにダメ出しくらったりすると、
デザイナー:「そもそもレイアウト構成が悪い」
デザイナー:「デザインイメージが具体的ではない」
ディレクター:「もっとデザインして欲しかった」
ディレクター:「そこはデザインでカバーして欲しかった」
ディレクターとデザイナーがお互いに責任転嫁をしているのを見かけると、何なんだろうなと思ってしまうわけです。
後から責任転嫁するのであれば、最初からデザイナーが全部考えれば良い話だと思います。
作業担当を細分化して効率よく作業を進めましょう、ということは分かります。
実際にその方が効率的なのでそれはそれで良いのですが、「なんでかな」とずっと不思議に思っていたので思いを吐き出してみました。
肩書の定義って難しいですね。
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制作業界で、無意味な残業をほぼゼロにするためにやってみた働き方のルール。
制作業界に勤めるのであれば、残業や徹夜は当たり前、といった風潮があります。
どこの制作会社でも、残業残業で結構厳しいよと言う話はよく聞きます。
専門学校を出たての新卒で採用面接に来た方で、不安そうな表情で残業はどのくらいしょうか、と聞かれる方も結構います。制作業界の労働時間の過酷さについてはネットや専門学校で聞いてきたのでしょう。
以前勤めていた制作会社では、どこも徹夜や深夜残業は当たり前でした。
みんなが遅くまで残るもんで、21時前に帰ったりすると、同僚や社長から楽してるとか頑張っていないみたいな視線や評価をされることもありました。
しかし、今の制作会社はほぼ残業ゼロです。
定時から帰りの支度をするまでのタイムラグ10分~20分程度で毎日帰っています。
もちろん対応に追われて残業することもありますが、毎月数える程度です。
僕は、制作業界だから残業は当たり前、残業している人は偉いみたいな風潮に嫌気がさしていたこともあり、今の制作会社では意味ない残業を徹底的に減らそうと思っていました。
残業しないと言いつつ、単純に社員の人数を増やしたり、仕事の数を減らして売上が下がってはまるっきり意味ありません。
ですので、社員の人数は増やさず、売上も減らさずに定時退社できるにはどうしたら良いか、ということを考え色々試してきました。
今回は、その中で実際に効果的だったことを書いてみます。
中にはガッツリ残業して長時間働くことが大好きな方もいるので、残業嫌いな方や上司の残業武勇伝を聞き疲れたような方に読んでもらえると幸いです。
僕のやり方が、働きやすいかどうかで言うと、窮屈な面も人によってはあるでしょう。
しかし、売上を落とさないよう案件数をこなし、かつ社員の給与を上げられるようにするとなると、ある程度時間とルールを徹底していかないといけないです。
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フレックスタイムは導入しない。
自分の経験から、フレックスタイムを導入している会社は総じて残業しがちになると思います。出社時間がばらばらということは帰る時間もばらばらですので、遅く出社した人の時間に早く出社した人が合わせるようなこともあり、効率が悪いと常々感じていました。
もちろん、家庭の事情や時間差通勤など様々なことに配慮した制度だということは分かっています。しかし、残業しないという面からいうと効率が悪いと僕は思っています。
以前勤めていた会社でも昼近くに出社してきた先輩の時間に合わせて作業していたために、毎日3時間以上の残業を不本意にさせられていた経験があったので、フレックス出社制度についてが良いとは思えません。
始業から足並み揃えて働かないことには、定時退社の道は険しいのです。
後から出社してるのに、遅くまで頑張ってる感出すような働き方は個人的に大嫌いなので、フレックス出社制度については絶対に導入しまいと誓っています。
フレックスなら一層のこと僕は会社に行きません。
昼休みは一斉に取る。
制作会社では、人によって作業がまちまちなので、昼休みはずらして取ったりしているところも多いです。基本的にはそれでも良いと思うのですが、よほどの理由がない限り12時なら12時にみんなで一斉に昼休みを取ることにしています。
なぜなら昼を1時間ずらすことで残業に繋がることもあるからです。
例えば、エンジニアのAさんが13時から一時間昼食に出ている間に、ディレクターBさんがシステムの修正依頼をうけました。Bさんが戻ってくるまで対応は待たないといけません。そうすると一緒に昼食を取っていた時に比べて、クライアントに報告するまでに1時間程度のタイムラグが発生します。
そこからクライアントの確認を待つわけですので、少しずつ時間は後ろにずれていきます。1日の勤務時間が8時間ですから定時退社しようと考えると1時間のタイムラグが場合によっては残業に繋がります。
ですから、これは少人数の会社に限っての話なのかも知れませんが、定時退社を目指すのであれば、みんな同じ時間に足並みそろえて休憩を取ることが賢明だと思います。
朝礼と終礼を行う。デスクで朝食を取るならその前に。
よく出社してから朝食をデスクで食べる人がいますが、これも時間の無駄だと思います。
残業しないということは単純に労働時間を減らすということではなく、時間の無駄なく働くことだと思います。休み時間でもないのに、始業時間ギリギリに出社して、そこからネットサーフィンしながら朝食を食べて仕事を始める、という塩梅で仕事を開始する人が結構いますが、これも残業の原因の一つだと思います。
いや、別にそれで仕事がはかどるなら良いかと思うのですが、総じてそういう人は残業も厭わない働き方をする方が多いです。本人の勝手だとは思いますが、会社全体として残業を減らしたいのであれば、こういった無駄な時間の使い方も減らすべきです。
ですので、朝礼と終礼はきちんとするようにしています。
終礼は帰りやすい環境作りに役立ちます。
いちいち上司の顔色見ながら「あの、、今日はそろそろ帰ります」なんて言うよりは、終礼として自分が今日のノルマ達成しているのであれば、それをきちんとみんなの前で報告すれば帰りやすいと思うのです。
あと、終業で一旦区切りをつけることでダラダラと働くことの抑止にも繋がります。
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クライアントの修正依頼に対して時間をきちんと引く。
制作業界で残業が多いのは、結局クライアントからの注文も残業時間帯にくることが多く、それに対応するために必然的に残業となってしまうこともあります。
夜遅くに対応してくれないから受注出来ないということはまずありません。
(案件によっては深夜0時アップなんていうのもありますが、これはWebの特性上しょうがないとは思います。)
例えば、16時までに受け付けた修正はその日のうちに、それ以降は翌日以降の報告になるということを、予めクライアントにも伝えておくことです。
きちんと伝えておけば緊急でもない限り、文句は言われません。
こういう時間調整をしないで、言われるがままに作業を受けて、すべてその日のうちに対応しようとするから、やらなくても良い残業が増えるわけです。
とにかく上司が早く帰る。残業したければ朝早く出社する。
上司が帰らないと帰れません。これはどこの会社でもそうです。
中には堂々と帰る人もいると思いますが、みんながみんなそうではないので、やはり自分の判断で帰りやすい環境つくりも大切だと思います。
そこで、一番手っ取り早いのは先に上司が帰ること。
まずは上司から定時退社の見本を見せないといけないと思います。
もし、残業するのであれば朝。僕はみんなより1時間半くらい早く出社しています。
残業でないかというとこれも残業になるのですが、そういう努力をしないとなかなか会社全体が定時に帰るというムードは出来ません。
最初は不安です。
自分が帰ることで、終わってないのに帰っちゃうんじゃないかと思いました。
終わってないのに帰ったら注意すればよいし、スケジュールを相談すれば良いし、まずは自分が先に帰ってみてどうなるか運用していけばよいと思います。
定時退社は帰るの決まった時間に帰ることが目的ではなくて、時間内に終わらせることだということ。
残業しないで帰るというのは良いことですが、ひとつ気を付けないといけないのは、それが習慣化して、何が何でも帰る、焦って帰るということです。
WebサイトやWebサービスは24時間365日稼働するものですので、不具合やこちらの不手際があった場合は時間に関係なく対応しなければなりません。
それはWeb制作という仕事をしている以上しょうがありません。
それをブラックなどというのであれば、少なくともWeb制作の仕事はしない方が良いのかな、と僕は思います。
仕事が終わってないのに、定時に合わせて無理矢理帰ろうという認識を持たれると、ちゃらんぽらんに仕事をするような社風になってしまうので、そこだけは社内で認識合わせを徹底しています。
案件の状況にも依りますが、取り敢えず今のところは、このルールで残業ほぼゼロで去年くらいから運用出来ています。
新しい人が入ってきたらどうなるかは分かりませんけれど。
経営者として起業に携わって直面した、社員では決して体験できなかったこと。
先日起業に携わって8年目ということで記事を書きましたが、もう少し別の側面から感じたことを書いてみます。
僕は制作者として働いたところで、思いもせず突然会社の役員・上司となりました。
制作現場のディレクターという肩書で社員として働いていましたので、役員・上司となって、それまでの仕事の関わり方や同僚との関わり方に対して大きな違いがありました。
社員として働いていれば感じなかった、直面することはなかったであろうことは山ほどあります。
僕は上司や経営者になりたかったわけではなく、新しいことをやる会社を立ち上げるというワクワク感だけで最初は携わりました。会社を立ち上げるには役員が必要なので、名前貸し程度に思っていたら、知らない間に制作以外の会社の運営についても、ほぼすべて任されていました。
上司とか経営者とか全然意識してなかったですし、なんで俺がここまでやらなきゃいけないんだ?とか思っていましたが、ここ数年で諦めたというか会社の経営者として割り切ることが出来てきたと思います。
社員の時は、上司に歯向かってでもチームやプロジェクトがうまく動かせればなんて思ってました。しかし、寂しいことに今や歯向かわれたり嫌われたりする方になってしまいました。(良い上司になるのは難しいですね。)
最初の頃はストレスばかりでしたが、やっと慣れたというか吹っ切れたところで、僕の感じたことをまとめてみます。
これから社員を雇って起業をしようという方に、体験談として読んでいただければと思います。
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社員が辞めることを受け入れる。
これはどこの会社でもあることですが、社員として働いている中で同僚や上司が退職するのと、それを言われる方では大きく異なります。
制作会社は入れ替わりが結構激しいので、人の出入りは他の制作会社でも見ていましたが、雇用している側として言われた時はドキっとしました。
僕自身、制作現場の同僚が辞める前のメンタル的な変化や、働いている時に出てくる表情の変化などは見ていたので、辞めないかなという不安は持っていました。
それでも結構ドキッとしました。
創業当初、自社サービス作りや新しい案件を取るために結構頑張っていた時期で、労働時間的にも給与的にも不満が募っていたのだと思います。僕自身もいきなり経営者として、みたいな責任を負わされたので、同僚だった時のように相手を慮ってあげる余裕はなかったのも原因かとは思います。
慣れてはいけないと思うのですが、その後人海戦術ということで社員を一気に増やして、ほとんど辞めていくという大失態の中で、辞められることに慣れていく自分もいました。
辞められるというのは、一社員として傍から同僚が辞めていく姿を見ているのとは、全然異なる感覚だと思いました。
不採用・解雇通知をする。
出来れば採用した方は長く勤めて欲しいですが、辞められる反面、雇用が厳しい場合もあります。小さな会社だと一人一人の社員のウェイトが高いので、持っているスキルによっては給与を与えながら雇用し続けるのが難しい場合もあります。
そういう人に限ってまた人柄が良かったりするのです。
出来ればその人の良い面を活かしてあげたいと思い、ギリギリまで頑張ってみるのですが、やはり難しい時は難しいのです。
辞めると言われることもドキドキしますが、こちらから不採用を伝えるのもすごく心苦しい話です。
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入金遅延に対しての催促をする。
これも経理担当であれば経験したことあると思いますが、いち制作者としてしか働いたことがないとかなりのストレスです。
色々な企業と取引を重ねていくと入金が遅れたり、金額が不足していたりすることがあります。いくら相手の遅延であっても、実際に現場で制作のやり取りをしている相手に対して入金に催促をするのは非常にストレスが溜まります。正直かなり嫌な作業です。
発注者と受注者という主従関係があるせいか、入金遅延でも当たり前のようにのらりくらりと対応するような方もいて、慣れていない僕にとってはかなりのストレスです。
経理担当として割り切って対応出来れば話は別ですが、制作で一緒に関わっている社長さんなどだと言い方ひとつも気を使いますし、なかなか気力を消耗する作業です。
会社のルール作る、社員に説明する。
制作業界に限った話ではないかもしれませんが、制作業界には変わった方が多いように思います。こちらの常識と相手が感じている常識には隔たりがあるものです。
細かい話ですが、
結局、経営側が理想としている動きをしてもらえないので、ルール化して運用しようとするのですが、当然反発する人は出てきます。
特に大きい企業であれば経営者に直訴するにはかなりの勇気がいりますが、小さな会社の役員なんて、所詮は現場の上司程度なので、ルールに対してむき出しの敵意を示す人もいます。
そういう時は一人ずつ時間を作って、ゆっくりと説明しました。
仕事なんだから従えよ!と思う気持ちを押さえつつ、一人一人説明して言いたいことを言わせて説得するのは、かなり根気のいる作業です。
出来ればルールを作りたくありませんが、色々な人がいるので好き勝手やらせていると、進むものも進まなかったりします。これもまた骨の折れる仕事です。
出来れば嫌われたくないけど、注意はしないといけない。
上司に立てつくことが出来ても、後輩や同僚に注意するのって勇気がいるじゃないですか。出来れば嫌われたくないし、注意して不快な顔や態度されるのは気持ちが良いものではないですよね。
社員の時は僕も嫌われたくないし、出来れば波風立てたくない平和な心の持ち主なので、後輩の目に余るようなこと以外は注意みたいなことはあまりしませんでした。
しかし、会社ではミスでも勤務態度でも誰かが注意しなければなりません。
僕もそうですが、上の人間が見てないと大抵の人はおしゃべりしたりSNSなんかやって仕事をサボります。なのできちんと管理している人っていうのは、よほどモチベーションの高い社員のいる会社でない限り必要なんです。
で、注意すると「自分は出来てないじゃないか!」など、時には正論であっても反感を食うことが多々あります。(まあ、僕の言い方もあれだとは思うのですが。)
そもそも、完璧な人間なんていませんし、完璧じゃないと注意できないのであれば、誰も注意なんてできません。
誰が注意するかっつうと上司しかいないんです。
なので、役員と言いつつ現場の上司なので、時には注意したり無理なオーダーでも頑張ってもらうこともあります。しかしこれがまあ、言われる方もストレスかと思いますが、言う方もストレスなんですね。
僕は結構物事をストレートに言ってしまうのと、細かい性格なので、かなり嫌がられていると思うのですが、分かっていつつ注意するというのはなかなかに精神力のいる仕事なのです。
ここまで書いてきたようなことは、社員として働いている時には体験したことのないことでした。社員の時に感じたようなストレスがない分、他のストレスもあります。
じゃあ、今から社員に戻れるかっていうと、戻る気も戻れる気もしません。
色々ある反面、うまくいったときの喜びややりがいがあるということなのだと思っています。
あ、あたかも創業者のように書いてきましたが、僕は持ち株ゼロの雇われ役員です。
給料をもらいながらこういう経験はなかなかさせてもらえません。
日々ストレスと格闘しながらも、社長の予行練習をさせてもらっているようで感謝しております。