たかもブログ

お酒、スマホゲーム開発、Web制作のことなど好きなことを何でも書いています。事実のみすべて主観です。

制作しかやったことのない僕が、苦肉の策でやった営業の話。

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僕が今のWeb制作会社立ち上げ時にやってみた営業の話を書いてみたいと思います。

制作者の中には案件があって当たり前、と思っているような方もいるのではないでしょうか。僕もその一人ではありましたが、自分で実際にやってみると仕事を取るということがいかに大変なのか痛感しました。

自分で営業らしきことをやってみて分かったのは営業マンって大変ということ。

そもそも、僕は今まで営業をしたことがありませんでした。
制作の仕事であればデザイン以外はすべてやったことがありましたが、営業して仕事を取ってくるということは一度もやったことがありません。

Webサービスで食っていくという意気込みで立ち上がったスタートアップ企業でしたが、僕はWebサービスは何年もかけて運用して当たるか当たらないか、という世界だと思っていたので、補填となる受託制作のことを最初から考えていました。

Webサービスを作りつつ、Web制作の受託の仕事を取るためにやったことのない営業活動も同時に進めました。 結果として、僕がやった営業活動はまったく仕事に結び付きませんでした。

誰の参考にもならないかと思いますが僕の思い出のために記しておきます。

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同業や広告代理店への売り込みDMメール配信

HTMLコーディングやシステム開発のお手伝いをします、みたいなテキストをつくっておいて、採用サイトやWeb制作会社データベースなどでリスト化した制作会社や広告代理店のお問い合わせフォームから連絡しました。

資料請求みたいなところから送ってしまい、わざわざ「おたくには絶対発注しません」という怒りのメールをいただいたこともありました。FAXを送ったら「余計なもん送るから紙代かかってしまった。今から用紙代持ってこい!」と電話がかかってくるようなこともありました。

その一方、たいていの会社からは何の反応もないのが普通でしたが、同業の制作会社だと話を聞いてくださる会社もありました。情報共有みたいな感じで呼ばれる場合もあり、中にはこちらの営業どころか自社のPRをしてくる会社もあり、何をしに行ったのか分からないようなこともありました。

で、実際に発注にいたった会社は一社もありませんでした。

 

勇気を出して飛び込み営業

飛び込み営業と言っても、会社案内を用意してアポなし訪問して、会社案内を手渡しするような感じです。ネットで広告代理店を検索して、これも片っ端からリスト化し、GoogleMapに場所を落とし込んで、あとは地図アプリを見ながらアポなしで企業を訪問するということをやりました。

その当時、iPhone3Gでしたので、Mapアプリを見ているとすぐに充電がなくなってしまい、どこか充電できるところがないか探しながら歩いていました。

飛び込み営業って勇気がいりますが、何より一番応えたのが、不審者を見るかのようなあの目!
何だお前何しにきた?!みたいな怒気をはらんだ視線で追い返された会社もあります。
仕事中に突然アポなしで入ってくるわけですから、僕が逆の立場であっても不信感を前面に出して接するかと思います。

やられてみるとこれが一番応えました。
そんなこと言っていたら営業なんかできないよ、と言われるかと思いますが、制作現場ですでに決まっている仕事をこなしていただけの僕には、感じたことのないストレスでした。

革靴で足を棒にして歩き回り、辺りが暗くなり歓楽街の明かりを見た時には、感じたことのない寂しさを感じたのを今でも覚えています。

飲食店や企業のポストへDM配信

飲食店の入っている雑居ビルや、企業のポストにWeb制作のDMを配って回ったこともあります。最近ではリタイアした方が家のポストにDMを配信して回っている姿を見かけますが、あれと同じことをスーツを着て飛び込み営業しつつやってました。

よくある町内会の掲示板にDMを貼ったりもしていました。

2日くらいかけて、飛び込み営業しつつ200枚くらい配りましたが、電話もメールも一件も来ませんでした。不動産関係の方に聞いたところ、そんなもの何万件も毎日のように配ってやっと問い合わせが一ケタくるかどうかの世界だよ、とのことでした。

周りにいた人にも無理があると思ったなどと後から言われて、「だったら何でとめねえんだよ!」と掴みかかりたくなった記憶があります。

この時の経験があるので、家のポストにやってくるDMおじさんに「ああ、チラシはいらないよ!」と無下に追い払うことが僕には出来ません。先日も庭を掃除していたらDMおじさんが来たので、有難く手渡しで物件売却のチラシをいただきました。

 

楽天ビジネスでお仕事マッチング

お金はかかりますが、仕事をマッチングしてくれる楽天ビジネスも使いました。
当時はランサーズとかクラウドワークスなんてものはありませんでした。

営業がうまく出来ないのであれば、マッチングサイトで欲しい人に欲しいものを届けようということで、毎日のように楽天ビジネスの案件に見積りを出していました。

結果、受注にいたったのは1件。
3万円くらいの案件を受注して、デザイン案出したら連絡が取れなくなり、進めた分だけの費用を請求して終わった案件一件のみでした。

費用感が知りたいとか、まだやるかどうかは分からないので、制作会社の意見を集めている段階とか打ち合わせに呼んでおいて、案件をやるつもりすらないようなオーダーもかなり多かったです。

あと、費用がかなり安くないと取れない案件も多いです。
僕は所属していた制作会社や、その他の制作会社の単価なども知っていたので、平均的な単価から落としてまで、無理な仕事を取ろうとは思っていませんでした。
しかし、中には僕の中では破格とも思えるような値段で受注する制作会社や個人の方がおられるようで、大抵は相見積りで負けてしまいました。

お仕事マッチングサイトは見積りだけとか様子見で案件の依頼を出す人もいるので、その後使うのをやめました。

 

作ることしかできない人間は作って発表することが営業。

当時、デザイナーとマークアップエンジニア、僕がプログラムという体制で運営していたので、必然的に日中は僕が営業をしつつ、家や休日に自宅でプログラミングをするということをしていました。

仕事がなかなか取れずに悶々とした毎日の中で、どうしたら良いかということで悩んだ挙句、やっぱり僕には作るしかないという結論に達しました。
(というか、営業しても全然仕事取れないので、それしか出来ない!という結論です。僕は営業マンとしてはまったく使い物になりませんでした。)

その後、出来ることを一生懸命やって世の中に発表していくしかない、と猛烈にサービスを作ってプレスリリースを打ちまくりました。

そうすると、少しずつですが同じようなサービスを作れないか、とかサービスを作った実績のある会社を探している、といった問い合わせをいただけるようになってきました。

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事務所の場所大事!事務所を移転したら問い合わせが増えた。

以前の事務所は神奈川県にありました。現在は渋谷なのですが、渋谷に移転してから問い合わせは確実に増えました。
お問い合わせいただく方に、「どこからうちの会社を探してくれたのか」と聞くとたいていは、うちの会社の近くの制作会社を探していた、という企業が多いです。

声を掛けた一番の理由が「事務所が近い」って言われちゃうと複雑な気分ではありますが、地の利というものはあるのだと実感しました。

制作会社を探している人はみんな「渋谷 Web制作」とかで検索しているようです。
ですので、受託制作を仕事にするのであれば、事務所の場所は大事です。

 

今は、昔いた会社のクライアントから声を掛けていただいたりして、今はお仕事を定期的にいただけるようになりましたが、新規のクライアントを開拓しないといけないな、という危機感は常にあります。

営業がいないような制作会社は、せめてクライアントと長続きするように努力しないといけないと思います。気に入っていただけて継続して仕事をいただけるよう、対応をしっかりしていくのが制作者が出来る営業なのかと思います。

制作の世界だと文句言われたりする営業マンですが、毎日のような訪問して仕事を作り出す営業の方は凄いな、と思います。自分でやってみるまで気が付きませんでした。