個人開発でスマホアプリを20本以上開発してきて、ダウンロード数や収益などの現実を淡々と書いてみる。
僕は2013年くらいからスマホアプリを作り続けています。
ゲームがメインです。これまで5年間で20本(種類)以上リリースしています。
作業は素材作成からプログラムまですべてひとり。
本業ではなく、あくまでも個人開発です。
こんな感じのゲームアプリを作っています。
TOLL TAKAMOTO - Google Play の Android アプリ
toll takamotoの App を App Store で
20種類以上のアプリの中には、iPhone(AppStore)ではリリースできなかったものや、Androidアプリ化するのが面倒でGooglePlayにはリリースしていないものもあります。
5年間コツコツとやってきて、自分なりにダウンロード数を少しでも増やす方法や収益の上がる時期などの傾向が読めてきました。
そこで5年間の経験を基に、アプリ開発周りで感じたことや現実をまとめてみたいと思います。成功談でもないし失敗談でもない、盛り上がりのない淡々としたいち個人開発者のまとめです。
アプリ開発の現実ってこんな感じなんだな、と思って読んでいただけたらと思います。
どうしてゲーム開発未経験なのにゲーム開発なのか?
本業はWeb制作なので畑違いで、ゲーム会社に所属していた経験もありません。
なのになぜゲームかというと、ストーリー性のあるものを作りたかったから。
キャラクターがいて、そのキャラクターが存在する世界があり物語がある、本業でやっているWebサイトやWebサービスとは異なることをやりたかったのです。
アプリを作る前は個人でWebサービスを作ってみたり、アフィリエイトサイトを作ってみたりしていたのですが、どれも続かずにアプリ開発をしてみたら自分の中で見事にはまりました。実におもしろい。
ゲームは無理だ、やめとけ、と言われて意地になって。
自分の会社で簡単なゲームの開発もやってみようかな、と思ったこともありました。
デザイナーがいるので、デザインや素材作成をやってもらって、僕が実装をおこなえば簡単なゲームなら作れるのではないかと考えていました。
しかし、周りの反応はゲームだけは絶対無理、やめておけ、と実際に開発に携わったことのない人たちから反対されました。
そこで疑問に思いました。
どうしてお前たちに無理だと分かるんだ?
個人開発を続けている理由はこの部分がけっこう大きいです。
やったこともない人に無理とか辞めとけ、と言われると「なにくそ!」と思う僕の性分なのでしょう。だったら見てろよ!と。
僕の目標は個性的なゲームアプリのみリリースする会社を立ち上げること。
法人化です。本当に。
開発環境や開発にあてる時間などについて。
作業環境はどこでも制作作業ができるノートPCのみ。
開発環境はイラスト制作にFireWorks、ゲーム自体の作り込みはUnityです。
Unityは昨年から使い始めました。それまではXCodeとEclipseでゴリゴリ組んでました。
イラスト制作はイラストレーターなどが一般的ですが、イラレのベジェ曲線が馴染めないのでFireWorksを使っています。
なんというかイラレのベジェ曲線は柔らかすぎて、FireWorksのベジェ曲線の固さがちょうど良いのです。
PCはWindowsのノートPCとMacBook Air 11インチです。
正直なところノートPCの画面でイラスト描いたり、Unityで作業するのはしんどいです。なのになぜノートPCかというと、家の中のどこでも作業ができるから。
妻がいない時などは子供の面倒を観ながら食事をするテーブルの上で作業したりします。そうなるとノートPCの方が便利なのです。
開発に充てる時間はいつなのか。
基本的に開発は会社の定時前や昼休みなどと自宅がメインです。
リリース直前になると土日も早朝から開発をします。夜は酒を飲んでしまうので、妻子の起きてこない早めに時間に起きて開発を進めます。
会社は一時間半前とかには出社して、本業やりつつ社員が出社するまでは個人開発に時間を充てています。僕は会社役員で、独りで会社を回している状況なので、その辺の時間配分は自由にやってます。
開発の時間配分ですが、イラストなどの素材作成が7割でUnityでの開発が3割です。
アイコンとかストア掲載用の素材なども自分で作っているので、素材作成にほぼ時間を取られます。
リリースした後のダウンロード数や評価の話。
ダウンロード数は初速はiPhone、じわじわ来るのがAndroid
これは僕の中での統計なのですが、ダウンロード数はiPhoneアプリがリリース当日の初速が良くて、Androidアプリは最初ダメでじわじわ上がってくる傾向にあります。
最終的にはAndroidアプリの方が圧倒的にダウンロード数が多くなります。
当然売上もほとんどはAndroidアプリです。
だったらiPhoneアプリはリリースしなくてもと思ってしまいがちですが、iPhoneアプリをリリースしたタイミングでレビューサイトに取り上げていただけることが多く、ほぼ宣伝用に作っているような感じです。
僕自身iPhoneユーザーですし。
ダウンロード数が1桁なんてざら。いつか来るのを待つしかない。
リリースした後のダウロード数ですが、数日で1桁なんてざらにあります。
自分では面白いと思ってリリースしたものがこのざまだと正直落ち込みます。
20本以上リリースしていても毎回がっかりします。
でも、ストア上にはそういうアプリがほとんどなのではないでしょうか。
GooglePlayはおおまかなアプリごとのダウンロード数が表示されているので、見てみると安心します。仲間はかなりいます。
アプリの話となると、そこそこ成功した人の話で、何十万ダウンロードとかそういう記事が多いですが、1,000ダウンロードいかないアプリの方が多いと思いますよ。
でも、作り続けているとある日いきなり何千ダウンロードとかあります。
確率を作ることで埋めていくしかないかと思い、日々開発しています。
バカゲーを作っていると低評価は当たり前。
僕の作っているゲームは自分でいうのもはばかられますが、バカゲーの部類に入るものだと思っています。ジョークゲームですね。
こういったゲームを作っていると評価は結構厳しいです。
みなさん酷な評価やコメントを残していきます。
レビューの中にはあまり作品に関係ない罵詈雑言もあります。
ただ、レビューの中には改善のヒントがたくさんあります。
ゲームの難易度が難しすぎると評価は下がるし、簡単すぎても普通。
ほど良い難易度の重要性をレビューと通してつくづく感じました。
逆に面白がってくれる人がいるのは励みになります。
みんな大好き収益の話。
ほぼAdmobオンリー。成果が上がるのもAdmobオンリー
現状の収益モデルは広告のみです。Admobが9割以上で、NENDとアスタも使っていますが、Unityで作り始めてからAdmobのみになりつつあります。
アスタやNENDは収益が低いです。
同じPV数でもAdmobの方が圧倒的に収益率が高いです。
具体的な数字は出しませんが、生活出来るレベルでは全然ありません。
お小遣い稼ぎのレベルを抜け切れていないのが現状です。
それでも、毎年少しずつ収益は底上げされています。アプリを作り始めて1年目はAdmobの支払い額になるのに数ヶ月かかっていました。
月に3,000円稼げるアプリであれば100本で月収が30万円。
そういう感じでとにかく量産して可能性を高めていくことを目的としてアプリを作っています。 その間に一発逆転もあるかも知れませんし!
収益が多い季節は夏と年末。時間帯は19時以降がアツい!
ここ数年の僕の統計ですが、学生が夏休みに入る8月と11月~12月の年末に収益が多くくなる傾向にあります。僕はゲームアプリしか作ってませんが、季節によって収益の開きが結構でます。
僕の場合はなぜか夏にYoutubeでアプリが取り上げられることが多く、8月は掻き入れ時となっています。
それ以外の月は、平均して平日より休日の方が2倍くらいで、時間帯は19時以降がアツいです。
休日は酒を飲んで寝てしまうので、あまり収益を見ていないのですが、朝起きてみてほくそ笑むことも多々あります。みんな僕が寝ている間にゲームをやっているようですね。
ちょっとでもダウンロードされるためにやっていること。
色々作ってみて手ごたえがあったアプリの後継版、流行っているジャンルのゲームを作る
いくつもゲームアプリを作っていると、中には数万ダウンロードされるものが出てきます。僕の場合は3年くらいかかりました。
うまくいったアプリのパート2を作ることでダウンロード数がある程度確約される傾向にあります。
ストアを見ていると分かると思いますが、ヒットしたアプリでパート2を出しているものは多いです。パクリアプリなんかも同じで、結局ヒットしたものをなぞるのが一番手っ取り早いのではないかと思います。
異常に増えている脱出ゲームもまた然りです。
僕も一度脱出系のゲームを作ったらレビュー攻略サイトにすぐに取り上げられ、Youtubeの実況動画にも取り上げられました。アプリのランキングを監視して流行ってそうなジャンルに自分なりの味を加えてリリースすると多少ダウンロード数は伸びるように感じます。微々たるものですが。
アイコンのアップデートはダウンロード数上がるまで継続する。
アプリにとってアイコンが重要なことは色々なアプリ関係のブログなどでも書いてありますが、まさにその通りです。
リリースしてダウンロード数が伸びない場合は即座にアイコンを変更します。
ダウンロードが伸びるまで続けます。
定期的に変更していると、ある時ピタッと型にはまったようにダウンロード数が伸びてくることがあります。そこまで続けます。
アイコンの中に細かい風景や人物を書き込むより、顔がどん!みたいな感じのほうが僕のアプリの場合ダウンロード数が伸びます。書き込み過ぎるとダウンロード数が落ちます。
とにかく多言語化する。
日本語の紹介文をGoogle翻訳で訳して、とにかく色々な言語に対応していくのです。iOSの場合はアプリ自体のローカライズされていないと審査に通らなかったりと面倒ですが、GooglePlayでは翻訳を増やしていくだけでも有効です。
これをやってから結構アプリのダウンロード数は伸びました。
特に中国と韓国からのダウンロード数は多いので翻訳をしておいた方がよいでしょう。
ちなみに悪評価やレビューを書いてくる方もこの2つの国に多いです。
アプリの宣伝やPRについて。
アプリの集客効果はレビューサイトより圧倒的に動画。
以前はアプリをリリースしたらレビューサイトにレビュー依頼を出しましょう、なんていうことが言われていました。もちろん一定の効果があるとは思いますが、僕の経験上ではレビューサイト掲載で飛躍的にダウンロード数が伸びたのはApp Bank掲載時だけです。
もちろん掲載していただけると、開発者としてはうれしいですし、開発を進めていくうえで励みになります。しかし、SNSなどの話題性に繋がったとしても、ダウンロード数が露骨に増えることはほぼありませんでした。
ですので、レビューサイトへの掲載依頼みたいなことは一切していません。
それに反して、圧倒的な効果はYoutubeです。
ゲーム実況などで有名なYoutuberの方に取り上げていただくのが、一番効果あります。
僕のアプリは実況動画なくしてダウンロード数の増加はありませんでした。
有名な方に紹介していただくととにかくすごい効果です。
話題に乗せてもらうために、人がやらないことを常に意識している。
では、そのYoutubeに取り上げてもらうためにですが、僕が意識しているのは僕しか作ろうとしないと思うアイデアを形にすることです。
良く言えば個性、悪く言うと癖が強いアプリです。
癖の強いアプリを作るとリジェクトでアプリそのものの存在が無効化されるようなリスクもあります。
しかし、それ以上にYoutubeで取り上げられたり、レビュー記事に掲載していただいたりする機会は増えます。ゲームを作る際に、ゲーム実況でどんなゲームが盛り上がっているのかみて、その傾向を元に企画を立てるのもひとつの手かも知れません。
僕の場合は売れている個人開発者の方のように、すごいアイデアや開発力や企画力はまだないので、数と癖で勝負しようと考えています。
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アフィリエイトサイトやWebサービスの開発が継続しなくて、そんなに儲からなくてもゲームをひたすら作り続けているのは、作ることの面白さだと思います。
自分の作った仕掛けや世界の中を誰かに体験してもらえるのは、漫画でもなくアニメでもなくゲームならではだと思っています。
よくアプリで何十万ダウンロード、何百万稼いだ、という話がネットで流れてきますが、凡人のアプリ開発の現実はこんな感じです。
アプリ開発者、ゲームプランナーの転職ならマイナビクリエイター!!