たかもブログ

お酒、スマホゲーム開発、Web制作のことなど好きなことを何でも書いています。事実のみすべて主観です。

会社のNo.2として会社の共同創業に携わるなら心しておきたいこと。

僕が現在のWeb制作会社の立ち上げに関わったのが2009年ですので、かれこれ8年になります。

2人で立ち上げて、会社の設立にほぼ全面的に携わっているので、共同創業者と言っても良いと思っています。(共同創業者の定義がよく分かりませんが)

僕は最初、プログラミングとディレクターをやっていたのでサイトの構成を考えたりすることは出来ます。ですので、現場レベルで制作にあたる役目だと認識していました。

一制作者として携わるのであり、役員の肩書については会社を興すのに必要なので、名前貸しのような感覚でいました。現に1円も出資していませんし。

しかし、実際には一人でスタッフの管理や売上の管理をやることになります。
そうではないのですが、気持ちとしては実質自分ひとりで会社を運営しているという感じです。

しかし、会社のNo.2として携わっていくと、あくまでも会社は社長のものであって、やはり社長を超えられない現実を突きつけられます。

よく、社長以外の創業メンバーは辞めていくなんてことがよく言われます。

原因として、実際にやってみて自分が置かれている状況がイメージと違う、ということに納得できなくなり辞めてしまうこともあるのではないかと思います。

僕自身が共同創業メンバーとして携わってみて、思っていたのと違った、意識が変わったというところをまとめてみます。
No.2って大変で、最初の心構えは大切なんです。

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自分の役割なんていうものはない。できることは全部やる。

例えばデザイナーとかエンジニアとかそういう肩書と作業の役割というのはなくなってきます。どういうことかというと、やれることはなんでもやる。

僕はライターじゃないからライティングは出来ません。プレスリリースや自社サイトのライティングはライターを雇おう、なんていうことはできません。

資金にゆとりがあれば別ですが、創業時は売上もないので、何でも自分たちでやるしかないのです。

それだけでなく、見積りから請求、入金の管理・催促、制作の管理までなんでも自分でやるしかないのです。そういうことはオーナー(社長)に相談しても解決しません。
任された以上No.2である自分がやるしかないのです。

冒頭でも書きましたが、僕は取締役というのは登記の名義上で、作り手として携わったつもりでいました。
しかし、実際には会社の運用をひとりで任されることになり、もはや何かを作る時間すらない状態になりました。(良い方向でとらえれば信頼されているということになりますが。)

制作者としてではなく、作れる経営者ということで会社の運営自体を任されていることに後で気が付きました。

社員の会社への反感は身近な上司すなわち自分へダイレクトに跳ね返る。

小さな会社の場合、No.2はオーナー(社長)の意見や指示をスタッフに対して伝える役目を負うことになります。もちろん自分できちんと伝える人もいると思いますが、今まで見てきた社長は大体が、No.2(または右腕)のような人を通してスタッフに自分の考えなどを伝える傾向にあります。

自分の意見とは多少反していたとしても、会社の指示としてスタッフに伝えねばなりません。上(会社)からの新しい決め事やルールって、大体反感や怒りを生むことが多いです。

その矛先はどこに向くかというと、発信している人、身近な上司(役員)である僕に向くわけです。小さい会社であっても、社長に意見を言うっていうのはハードルが高いようで、やはり身近で現場に携わっている言いやすい上司に矛先が向くんですね。

自分の判断や意見ではなくても会社の指示として、伝えたことに対して、自分自身に反感や怒りの矛先が向いてきます。

時として、大声で反対意見をあらわにこちらに向かってくるようなスタッフもいるわけです。そんな時は、周りのスタッフへの影響も考えて、裏で色々と個別に説明をして納得してもらう方向で説得します。

管理職でもない社員としてしか働いてこなかったので、こういう人の管理というものが思った以上に大変なのだと肌身に感じました。
僕が人徳があってまとめられる人間だったなら、もう少し円滑にいくのかも知れませんが、個人プレイヤーの僕には難しかったのだと思います。

でも思うんですけど、一日のうちのほとんどを一緒にいるようになると、人間同士ですから何かでぶつかるんです。とにかく突っかかってくるような人も色々いるので、そこは覚悟をしておきたい所だと思います。制作業界変わりもんが多いですし。

事情はどうあれ役員という肩書を持つ自分のことを、誰も現場のプレイヤー(制作者)とは見なくなります。一社員としてリーダーやディレクターなのと、役員として会社の役員としてスタッフに関わるのは大きく違うのだということは実感しました。

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ルールをつくるのは簡単。だけど守らせるのが大変。
しかもルール作りの元になった人達は辞めていきルールだけが残る。

どこの社長でもそうなんですが、中小企業の社長さんって会社=組織としての体裁を整えたがります。(会社を大きくみせたい気持ちは分かります。)

従業員が大した人数のいない会社でも、Webサイトに組織図みたいなものを掲載してみたり、少ない人数の中で部署を作ってみたり、チーム編成を変えてみたりするものです。

組織を作るのは良いのですが、人が多少増えると前の会社の感覚で仕事をする人もいるし、自分には自分のやり方があると独断で好きなやり方で作業をしてまとまりがなくなったりします。
(制作会社では特に自己流の人が多いので、これが起きます。)

組織やチームを運営していくうえで、あまりに勝手なことをする人がいるとなりたちませんので、ルールを作る必要が出てきます。

ルールを作ると守られないといけなくなるのですが、この守らせるのもNo.2の役目だったりするのです。これが面倒というか、骨が折れる。

注意ってされた人も気分悪いけど、する方もかなり気分良くないですよ。

誰だって嫌われたくないので、ちょっとしたことや自分に害がなければ注意ってしませんよね。それをいちいち守らせるんです。そうしないとルールは定着しません。
社長は組織を作るのが好きだと言いましたが、ルールを作るのが好きな人もいます。

しょうがないことなのですが、僕はこのルールの管理が一番ストレスに感じました。

改めて思うのは、トップ(社長)の作るルールが本当に今後会社が良くなるものなのか、よく考えて反論するのもNo.2の役目だと思います。誰かがやらかしてルールが出来てもたいてい、ルールの元になって人間は辞めていきます。そうするとルールだけがどんどん残っていきます。

ルールって作るのは簡単でも、解除するのは気持ち的にハードル高いのです。

意外と経費を自由に使えない。

会社にもよると思いますが、社長以外は自由に経費を使えるわけではありません。

広告出稿ひとつ打つにしても自分の裁量で出来るわけではありません。
仕事については全面的に任されていたとしても、お金の管理だけはしっかりオーナーが握っていたりします。

お金は握ってなくとも、仕事をしていくうえで必要な広告とかツールなんかには投資をすべきだというのが僕の個人的な意見です。

ですが、やはりそれをやりたければ損益分岐などをきちんと社長に説明して納得してお金を出してもらう必要が出てきます。社長のように自分の思い付きや判断で会社のお金を使えるわけではないのです。

Webサービスの運営なんかをやっていると、ある程度広告をかけないと自分たちで出来る範囲の集客には限界があります。そういう時に広告費などの経緯を

まあ、きちんと広告費をかける意味を説得できれば良い話なんですけどね。

裏で頑張っても会社の顔は社長である、ということへのジレンマ。
育ての親より生みの親。

産みの親より育ての親、という言葉がありますが、これは企業には当てはまらないと感じました。社長は会社にいない方が良い、ということをよく聞きますが、これはちゃんと回っている会社の話です。

少なくとも起業して数年、または小さい会社で社長が勘違いして実務に関係ないことをしているようだと、その会社は崩壊すると思います。
そこをうまくまとめるのがNo.2の仕事だったりするのですが、ここですごくジレンマを感じます。

誰よりも責任感をもってアイデアを出し、アイデアをカタチにするために何でもやるのですが、結果としてあくまで裏方なんです。

No.2って育ての親のようなところがあります。

しばらくして会社が軌道に乗ってくると、表には自分の存在が出てこないことにジレンマに感じる人もいるかも知れません。
社長は会社の唯一無二の看板です。ですので、自分がNo.1と思っているような人は共同創業者として誰かの後にくっついていかないで、自分が言い出しっぺか一人でやった方が良いのではないかと思います。

右腕、女房役として社長を支えられる人が向いている。

実際にやってみて、僕のような自己主張が激しく自己承認欲が強い人は、No.2として誰かの右腕でずっとやっていくのには向いていないのかも知れない、と時々感じることがあります。 

共同で会社を興そうとした時、誰が社長になるかってことは非常に重要だと思います。

最初はあまり考えずに、「俺が社長でお前が専務ね」なんて気軽に決めたとしても、後でその立場の差に不満を覚えることになる可能はかなりあります。

最初は対等な立場で一緒に起業した仲間であればなおさらです。

僕の場合は出資はしてないので、どこかで雇われ的な部分もあり、トップに従順に従っている部分もあります。そこは役員であり会社員のような不思議な感覚です。

起業とは本来やるべきことに対して向かっていくもんだと思いますが、人間である以上どうしても感情的に納得できなかったり、悔しい思い嫉妬など様々な負の感情が生まれてきます。

そうすると最初の志を忘れてしまい、いつしか感情に動いて会社を去ることになってしまうのではないかと思います。

最後に

近年、起業はカジュアルになってきています。
気の合った仲間、意気投合した者同士が世の中を変えるために会社を興そうと思うのは素晴らしいことだと思います。

しかし、実際に会社を運営していくうえで事業の内容や会社の方向性も必要ですが、関わる人の精神面も重要です。事業がうまくいっても自分の精神面に傾きが出てきてしまうと、せっかくうまくいっても自分が楽しくなかったり、始終面白くなかったりします。

社長であることと、No.2以下では結構状況は変わってくると思います。

意気投合して始める前に、自分が置かれる立場についてきちんと納得して携われると良いかと思いこの記事を書きました。

この記事で書いたことは、あくまで僕個人が感じたことであり、会社によって状況は異なると思いますので悪しからず。

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