たかもブログ

お酒、スマホゲーム開発、Web制作のことなど好きなことを何でも書いています。事実のみすべて主観です。

Web制作で独立する気なら意識しておきたい。見積りの範囲外!ということを主張する勇気。

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Web制作でもシステム開発でも制作系の仕事をしていると、出した見積りの金額の中でよりたくさんのサービスを受けよう、より多くの作業をしてもらおうと発注者の皆さんは交渉してきます。

自分が制作を発注する立場であれば当然のことだと思います。 

  • 営業が契約取るために、費用に見合わない作業を受注してきた。
  • 本来は仕様変更のはずなのに、仕様の瑕疵として見積り内の対応を要求された。
  • 契約解除を匂わせて料金以上のサービスや制作を迫ってくる。

こんなことは制作の仕事では日常茶飯です。

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今やWebサイトの制作は無料でも作れるサービスが出てきているくらいで、安く簡単に作れるものだという認識が広まりつつあります。
予算が限られていれば、少しでも制作費を押さえてWebサイトを制作したいと考えるのは当然でしょう。

ディレクターなど制作管理を担当していると、発注をもらって制作に入った後で追加オーダーが次々に出てくる場合があります。

見積りの範囲外である、ということをきちんと主張する勇気です。

どうしてそれが勇気なのか?当たり前のことと考える方も多いでしょう。

十分な仕事がある制作会社のいち会社員であれば正論は正論として主張できるでしょう。しかし、自分が経営者や個人事業主であると、話は別です。

会社員は例え失注しようが自分の給料は毎月支払われます。
しかし、経営的な視点でみると案件はないよりはあった方が良い、少しでも売り上げを上げないといけないと考えます。

売上がなくても社員の給料は払わないといけませんし、給料を払っている以上案件がなくて遊ばせておくよりは、少しでも仕事を回してもらおうと思うのは当然です。

交渉をこじらせたがために失注したり、納期がどんどん遅れるとその分請求も遅くなり、経営的には痛手をこうむります。

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下請けイジメがニュースで取り上げられますが、少しでも仕事が欲しいと考える中小企業の経営者は発注者の出す条件に折れて、渋々ないよりはマシな案件を引き受けたりもします。実際こういうのが無茶な仕事が制作現場の長時間労働なんかにも繋がります。

実際にクライアント、特に中小企業の社長さんなんかと対峙して、きちんと見積りの作業範囲と、範囲外であることを主張して理解してもらうことは簡単なことではありません。大企業の一担当者より中小企業の社長さんは自分で事業をおこしている分、交渉も場慣れしており上手ですし、条件を受けてくれるまではかなり粘る方も多いです。

何度も言いますが、交渉が暗礁に乗り上げて、納期が伸びたりすると制作を進めていた制作会社の方が痛手をこうむります。

よく制作上がりのフリーランスの方で、そういった交渉が出来ずに、手となり足となり動いて結局費用以上の作業をしていたり、最悪発注を貰えずになかった話になっているのを見かけます。

お試しと称してフリーランスなどの個人に声を掛けて、まずは作業をさせてみるという会社もありますので注意したいところです。

制作の単価を落とすのは業界の水準を下げることになる、と言いますが実際に僕も含めて営業力のない制作出身者が独立すると現実はかなり厳しいです。
昔からの付き合いなどで、独立してすぐに仕事を貰えるような方や、その業界では有名な実力のある方であれば話は別ですが、最初は実績もないし価格競争に巻き込まれます。

クラウドソーシングや案件マッチングサービスが流行っていることが、この事実を表しているでしょう。

独立すると制作の範囲内と範囲外を決めるのも自分です。
制作会社の中で、制作メインでやってきた現場上がりの方が費用と作業範囲の交渉がうまいこと出来ない方も多いです。(僕も未だにそうですが。)

制作の単価は落とさないと言いつつ、結局価格競争の中に飛び込んでいくしかない現実もあります。競争の中でやって行けずにフリーランスから再就職する方もよく見かけます。(採用をしていると結構多いです。)

制作は現物の売買ではないので、制作側も発注側にも出来てみないと分からない未知な部分がたくさんあります。そういう意味において特殊な仕事でもあると思います。

実績作りやスキルアップも大切ですが、こういった金銭的な交渉が制作には欠かせません。こればっかりは場慣れとかその人の交渉能力もあるんでしょうけど、職人気質の制作者には難しい面もありますよね。

毎日勉強です。