たかもブログ

お酒、スマホゲーム開発、Web制作のことなど好きなことを何でも書いています。事実のみすべて主観です。

制作会社の運営において社員を雇用すべきか?外注で仕事を回すべきか?

僕の周りというか僕の会社に発注してくださるクライアントは外部の制作会社を使って仕事を回しています。僕の知り合いで、制作業で起業された方でも、外部のフリーランスや制作会社を使って仕事を回している方が結構いらっしゃいます。  

最近、制作業界では社員を雇わずに、最少人数で営業して仕事を受注し、実際の制作は外部に委託するというスタイルの制作会社が増えてきているように思います。

話を聞いてみると、やはり社員を雇うとなるとそれなりの固定費がかかる、というのが主な理由なようです。

僕の現在数名の社員がいる会社に所属していますが、社員を雇うことの大変さと、社員がいることのメリットの両方感じています。

外部のフリーランスや制作会社に発注すれば、社員を雇うより楽なのかというとそうでもありません。それぞれに良いところも不満の出るところもあります。(良いも悪いも管理している人によるところはありますが)

この記事のタイトルの、どちらが良いかということについては、一概ににどちらが良いかということは言えないかと思います。(結局はどちらにしても良い関係を築けるかどうかです。)

制作業界で、双方一緒に仕事をしてみて僕なりに感じたことを書いてみます。 
これから制作で起業しようとされる方の参考になればと思います。

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かかる費用について

社員を雇用すると仕事のあるなしに関わらず、給与という固定費用がかかる。外注の場合はスポット的に費用を払えば良い。

当たり前のことですが、社員を雇用するということは、毎日会社に来てもらうかわりに、仕事があってもなくても毎月の給料が発生します。経営的な視点から見ると、まずここが一番のネックかな、と思います。

人数がいればそれなりの広さの事務所が必要ですし、社会保険など色々と会社で負担する費用も出てきます。

冒頭で書きましたが、僕の知り合いの制作会社でも、社員を雇うと色々と固定費がかかるから、制作自体は外注でディレクションと営業のみという会社が結構あります。(有難いことにそういう会社からも結構仕事をいただきます。)

仕事が沢山あって、一人の社員がいくつも仕事をこなしてくれると助かりますが、反対に仕事がなくてネットサーフィンしているような時間でも給料が発生します。会社によると思いますが、制作の仕事の数には波があります。

繁忙期には超忙しく、それが過ぎるとぽこっと時間が空いたりします。ぽこっと空いた時間にも様々な固定費が発生しています。

少しでも時間と人件費を無駄にしないために、経営者は社員の空いている時間をいかにうまく回して収益に結び付けるか、例えば自社サービスやツールを作るなどのことを考えないといけません。(制作の人に営業をやらせるわけにはいかないので。)

反対に外部の制作会社やフリーランスへ依頼する際は、その時だけスポット的に依頼すれば良いので、メンテナンス契約など結んでいなければ固定費はかかりません。
その分一回にかかる費用はそれなりですが、固定費という継続する人件費という精神的重みからは解放されると思います。

 

人間関係について

外注はビジネスとして仕事をこなしてくれるが、社員はそうはいかないこともある。

外部の会社に発注すると、発注した仕事に対してビジネスとして対応してくれます。こちらはお客さんですので、それなりに丁寧に文句も言わず対応してくれます。
ただ、ビジネスですので、見積り以上の要望などについては融通を利かせて対応してくれない場合が多いです。当たり前ですが「あ、ちょっとこっちも修正を」なんていうお願いにも追加費用がかかります。

その点、社員の場合は「ちょっと頼むよ」と融通を利かせた対応をしてもらえます。
何でもやってくれる、とまでは言いませんが追加費用関係なく修正や指示を出せます。

ただ、中には言う事を聞かない、言われたことをやらない人もいます。
人間ですので自己主張もしますし、意見が合わないと衝突もします。

外部の会社のように、ビジネスとして依頼したことを淡々と実行してくれない場合も多々あります。

当然のことで、家族以上に一緒にいる時間が長くなる社員ですから、そこには人間関係というものが出来てきます。仕事だからでは割り切れない関係性が発生します。

うまく関係性を築けるか、その関係性を楽しめる方は別だと思いますが、僕みたいな根っからの制作単独プレイヤーには未だに大変だと感じます。

 

対応のスピードについて 

外注の場合、自分の都合だけで作業を進めることが出来ない場合もあるが、社員の場合は自分たちの中で優先順位を付けて対応ができる。

例えば、トラブルや急ぎで対応して欲しい案件は社員がいた方が対応しやすいです。

僕の会社は比較的対応が早いということで評価を得ており、これは社員の方が常にいてくれて、迅速に対応してくれているからに他なりません。

外部に依頼すると、契約内容にも依りますが、その都度見積りや発注といった手順が発生します。指示についても社員に対して指示するように「これ、やっておいて」というわけにもいきません。きちんと指示書を作る必要があったりします。

そういった制作外の間接的な時間がかなり発生します。

しかも外部の会社だとその会社の都合もあるので、すぐにやって欲しいことをすぐに対応して貰えない場合も多々あります。

制作業務においては、この時間ロスに対して、お客さんによっては対応が悪いというレッテルを貼られてしまう場合もあります。そうすると次の仕事が来なくなるというリスクとなります。

その反面、フリーランスの方などにお願いすると、休日や深夜関係なく対応してくださる方もいて助かる場合もあります。しかし、日中に必ず連絡がついて、すぐに対応してもらえるかというとそうでもありません。

その会社の仕事の仕方、お客さんとの関わり方だと思うのですが、個人的には対応面については、社員に軍配が上がるかと思っています。

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やはり一緒に働く人がいる方が楽しい。

社員とは目標や達成、成果などを共有できるが、外注との関係はあくまでビジネスでしかない。

個人的には、固定給とそれなりの保証をしてあげられるのであれば、社員を雇った方が良いかと思います。制作は商品の売買ではないので、制作過程で外注であれ、社員であれ、それなりにトラブルはあります。

制作を過程の仕事として考えると、外部の強力会社やフリーランスの方と一緒に仕事するのはその場限りです。会社の目標や売上について共有しませんし、一喜一憂することはありません。仕事の取引きがなくなると一切連絡を取らなくなることも多いです。

しかし、同じ釜の飯を食うとまでは言いませんが、社員というのは会社の一員ですので、色々なことを共有しますし、意見交換もします。
ちょっと相談したり雑談するような相手がいることは働きやすさにも繋がります。

また、一人の発想や力は限られています。

最終的には自分で決定すると言っても、周りに相談や意見交換をする人がいるのは大きな違いです。制作技術を高め合ってお互い切磋琢磨できます。やはり身近に自分の知らないことを知っている人、出来ないことを出来る人がいるのは、制作においてすごく刺激になります。

そういう仲間を求めて勉強会などの集まりに行かれる方もいると思います。
でもやっぱり身近な人の方が、本音で思ったことをざっくばらんに話やすいのかな、と僕は思います。

人間関係や仕事がうまくいかないと「ああ、こいつらはぁ!」と思うこともありますが、一緒に働くパートナーって制作をしていくうえで結構重要です。

 

ということで、僕は社員がいることのメリットを享受しているのですが、雇用している以上売上目標も常に高くなってきます。
自分の給料は何年も据え置きなのに、社員の給料アップや賞与など考えないといけません。賞与が出なかったり、給料がアップしなければ不満も出ますし、会社の空気もなんだかな、といった感じになります。

なかなかに難しいものですね。