たかもブログ

お酒、スマホゲーム開発、Web制作のことなど好きなことを何でも書いています。事実のみすべて主観です。

制作会社で売り上げを社員と共有するなら、工数を共有した方がよほど良い

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僕が渡り歩いた制作会社では、たいてい売上が落ちてくると社員にも売上の共有と、どうしたら売上が上がるかを検討させる打ち合わせがありました。

制作会社の社員はいち制作者であって営業ではないので、売上について共有され、それに対して叱咤され提案を求められてもどうしようもない部分もあります。

給料をもらってビジネスでやっている以上、売上に無関心になれとは思いませんが、「売上落ちてるけどどうする?」みたいな打ち合わせをされてもなあ、と思っていました。
(逆に儲かっている時は、そんな打ち合わせはしないのが、大抵の会社です。)

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このブログでも書いてきましたが、僕は経営者目線で売上を考える、ということを社員に求めるのはあまり好きではありません。それは経営に携わってからも同じです。

なぜなら、経営者目線を求めるのであれば、売上と支出についてもオープンにして、売上と経費を合わせて考えるべきだからです。しかし、こういう場合の経営者目線はあくまで売上(入金)を上げることの施策や提案のみを求められており、経営者が経費の無駄遣い(税金対策)などをしていても、そのことには触れられません。

社員に会社のすべてを共有した方が良いとは思いません。
(言いたいことだけ発言して、発作のように退社していく輩もいますので。)
社長と社員はイーブンな関係にはなり得ない以上、社員に対して社員以上の経営者目線を求めるべきではないと思うのです。

中には経営者に昇格したいと努力して売上を伸ばすためにどうしたら良いか考える社員もいるでしょう。しかし、みんながみんなそんな野心や昇格意欲はありませんし、そこに向けて経営者が考えるべきことを共有しようと思っても無理があります。

はっきり言って、考えさせるだけ時間の無駄です。
しかし、売上も意識せずスキルアップの意欲もあまりない、それでは困ります。

そこで、最近僕が考えているのは、売上ではなく時間(工数)の共有です。 

制作では見積りを人が動く時間と人数で求めることが多いです。
その見積りの際に算出している時間、それぞれの担当者が使って良い時間を共有するのです。

使って良い時間の共有をすると「いやいや、そんな時間では出来ないよ!」「勝手に工数出されちゃ困るよ!」という非難の声も上がります。もちろん、見積り時に制作者と工数を確認してから見積もることは必要です。

しかし、予算の都合上どうしても工数が計上出来ない場合があるのも事実です。
すべての制作案件が工数を潤沢に計上できるような予算があるわけではありません。
では、

そういった案件に対して、自分の持ち時間と、いかに効率よく制作を進められるかと考えて実行していくのは、制作者が売上に対して出来ることだと思います。

クリエイターの方には時間と制作物を切り離して考える方もいらっしゃいます。
良質のものを作るには時間を惜しんじゃいけない、時間やお金に関係なく良いものを作り出すんだ!と。

自分の裁量で出来る個人の方や趣味、スタートアップ企業でサービスをこれから立ち上げるような会社では、それはそれで良いと思います。
しかし、受託制作をメインとしている制作会社では、時間と人に対してお金が発生します。そこを度外視するとビジネスとしては成り立ちません。

クリエイターから見ると、お金と時間を制作物と一緒に考えてると、ダサいのかもしれません。僕も趣味でアプリなどを作る時はお金や時間なんて考えません。他人の評価すらあまり気にしません。完全に自己満足です。 

しかし、ビジネスは別です。

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プロの制作者は、良質のものを作ることもそうですが、時間配分をきちんとしないといけません。

良いものを作るということだけで、時間感覚を度外視してしまうと、案件の数も回せませんし、残業を生み出す原因にもなります。僕は制作業界に身を置いていて、残業はひとりひとりの時間感覚の欠如もひとつの原因なのではないかと思っています。 

そういう意味で、自分の持ち時間を意識して効率良く作業を進めるということが、制作者に求められている事なのではないかと思っています。

とはいえ、時間でがんじがらめにされると、それはそれで人によっては品質劣化に繋がることもあるので、縛り付けはしないけど意識はしてもらうようにはしています。
それを管理するのもディレクターなど制作管理進行をしている方の役目だと思います。

スケジュール引いて、制作物のチェックをしているだけが役目じゃないんですよね。