Webデザイナーの実力を読み解く、ポートフォリオへの確認事項
僕はデザイナーではないですが、デザイナーの採用面接は今までに沢山おこなってきました。
今回はその経験を元に、デザイナーのポートフォリオの裏にある実力の読み解き方について書いてみたいと思います。
ポートフォリオの実績は、そのデザイナーの実績であり、実力でないこともかなりあります。
そんなポートフォリオの裏にある実力を読み解くために、何を確認すれば良いのかについてです。
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まず、デザイナーにどこまで求めるのか。
Web制作の仕事は会社によって役割分担がことなります。
ディレクターがいてデザイナーがいてマークアップエンジニアがいてという会社もあれば、デザイナーがマークアップまで行うという会社もあり、人数や案件の規模などによってまちまちです。
よくデザインはオペレーション作業ではない、という言葉を聞きますが、実際にはオペレーションのようにクライアントに言われるがままに作業をする、なんていうことも多々あります。
ですので、デザイナーにクリエイティブなアイデアや発送を求めているのか、制作作業の中の一端を担って貰うためにスピード感を求めたいのか、など求めているニーズによって採用の視点が変わってくるように思います。
ポートフォリオの実績は自分ですべて作ったのか?
僕は最初にこれを聞きます。
自分の実績として持ってきているのに、失礼に当たるかも知れませんが必ず聞きます。
というのは、制作会社で制作をしていると、ディレクターやデザイナーの先輩が修正指示を出します。そうすると最終的には言われるがままにデザインしたり手直しをされたりして最初のデザインの原型をとどめてしなかったりするのです。
つまり、自分で手は動かしたけど、デザインは修正指示で成り立っている。
こうなると、そのデザイナーの実績であっても、同じデザインを自分だけで制作できる保証はありません。
ポートフォリオのデザインはすごく良かったのに、実際にデザインしてもらうと全然テイストも違うし、クオリティーも低いということもあります。
制作を始めてしまってから、実績のサイトを作ったとは思えない実力、なんて思っても後の祭りです。
ですので、実績の裏にある過程なども確認することは重要だと思っています。
完成までに費やした時間。
制作をビジネスとしてやる以上、必ず納期はありますし、制作工程で間に合わせないといけないタイミングがあります。
僕は制作業界に入ってひとつびっくりしたのが、デザイナーの作業に対してスピードがかなり求められていること。デザイナーというとクリエイティブな仕事なので、スピードよりはクオリティーみたいなイメージでいましたが、実際の現場はスピード命です。
会社によってデザインで取れる制作費も変わってきますので、自社の工数に応じたスピードでデザイン出来るかというところは非常に重要です。
一緒にやってみないと分からない部分も多いですが、時間感覚という意味においても確認しておくと良いでしょう。
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育てるつもりであれば、ボタンや見出しなどパーツを作れる実力があれば良い。
即戦力とするのか、育てるのかでデザイナーの見方が異なります。
育てるのは時間と根気がいりますので、会社としては即戦力が欲しいに決まっています。しかし、育てるということは自社の色に染められるというメリットもあります。
即戦力は有難いですが、デザイナーは自己表現したい方も多く、自己主張の激しい方もいます。実際に作業をする過程で、制作の進め方や会社の方針と合わなくなって、すぐに辞めてしまうような方も多いので、経験の浅い方を育てるという考え方もありかと思います。
育てる前提だと、Adobe系のソフトをきちんと使えて、ボタンや見出しなどの素材をきちんと作れる方であれば問題ないでしょう。
ただ、ボタンや見出しのクオリティーが低いと、そこから育てるのは大変過ぎるかな、と思うこともあります。
装飾関係は結構その方のセンスが出たりするので、サイトデザイン全体としてはいまいちでも、パーツがきちんと作れる方であれば、あとは経験で良いデザイナーになってくれると思っています。