たかもブログ

溝の口周辺のこと、スマホゲーム開発、Web制作のことなど好きなことを何でも書いています。事実のみです。

スタートアップに携わって7年が経った現実と率直な感想。

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僕は7年前に平社員から取締役としてスタートアップのWeb制作会社経営に携わり、現在も継続して働いています。

スタートアップというと、Webサービスやアプリをヒットさせて運営で食べていくというイメージがありますが、実際のところ受託制作をコツコツとこなしながら食べていくのが一番確実だったりします。

7年間携わっていると、最初に考えていたスタートアップのイメージと随分違う面があったり、一緒に働く人の変化や出入りなど色々なことがありました。

起業の話を聞いたり、本で読むのとは似ているようでいて違います。
端から見ているのと、自分が当事者になって体験するのは大きく異なります。

ここ数年、スタッフや仕事の内容など状況は定着してきたので、実際にスタートアップに携わって感じたことや実際のところなどをつらつらと書いてみたいと思います。

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面白いことやるのは最初だけ。売上と請求がすべて。

会社はとにかく売上です。
企業理念とか行動指針とかそんなことでは食べていけません。

実際に会社の経営に携わって、ここまでお金で神経質になるものだと思いませんでした。売上売上、お金お金。頭の中はそれでいっぱいになります。

よく制作者の中では「俺はお金の話はしたくない」とか言う人います。

どちらかというと僕も苦手ですが、売上のことしか考えられないくらい、売上の問題は深刻です。現在にいたっては受注と納期と請求のことしか考えられなくなってきています。

個人ではゲーム作ったり、なんか面白いと思うことはやりたいと思っているのですが、今の会社は本当にお金を稼ぐだけの場所になってしまいました。
社員がいる以上、生活を保障しないといけないし、仕事をさせないといけません。
毎月毎月を生きていくためには、売上あるのみです。

会社立ち上げ時のカジュアルにサービス立ち上げていくぜ、みたいな感覚は一切なくなりました。

どこの経営者も頭を悩ませていると思うのですが、その中でもアイデアをひねり、サービスをリリースしたり運営で食べている人はすごいと思います。

以前勤めていた会社の社長が売上上がらない社員に対してはきつく当たったり、機嫌が悪くなる気持ちが今となっては分かります。 

経営者目線というのを社員に求めるのも、結局こういった経営者のプレッシャーを少しでも共有したかったのだな、と思います。

とは言っても、そのプレッシャー含めて経営だとは思いますが。

 

意気投合した相手でも関係が良いのは最初だけ。

誰かと共同で起業するとなると、やりたいことに共感したり意気投合して、なんていうパターンがほとんどだと思います。

それこそ最初のうちは夢がありますから、テンションも高いし、酒を飲みながら今後のビジネスの展望を語らうのなんて楽しくてしょうがないです。
人間うまくいってる時と、将来を語っているだけの時は気分が良いものです。

しかし、1年もすると売上などの問題がシビアになってきます。
Webサービスなんて1年では収益化しませんし、受託のお客さんもいないので、夢を語るどころの話ではありません。

現実的に理想としていたものと置かれている状況が変わってくると、段々と人間関係も変わってきます。事業がうまく進んでいれば違うのかも知れませんが、紆余曲折あると意気投合していた関係も冷ややかになってきます。

最初の志は大切だと思います。
創業当初は僕も熱くなって随分と調子の良いことを言っていたな、と思います。
今はかなり冷静です。

創業メンバーは役員2人以外は全員辞めていきました。
結論として、僕は次に自分でやるなら親しい人や友人とは起業したくないな、と思っています。仲良い人との関係はそのままにしておきたいので。

次に自分でやる時は、最初は一人か人手が足りなければ外部の制作者の方に委託してやろうと思っています。

 

育ての親より産みの親。会社に社長以上の存在はない。

僕は会社設立当初は取締役なんていう肩書をもらって喜んでいましたが、結局スタートアップ企業においてそんな肩書あまり意味ないです。寧ろローンが組めなかったりとかデメリットの方が最初の頃はありました。(自分自身の業績次第ですが。)

やはり社長は社長なんです。
取締役として仕事の話をするのと、代表者として話をするのも違いますし、入ってくる情報も違います。

自己承認要求の高い僕のような人間だと、一緒に事業始めて自分が動き回ったり作ったりして主体となって動いたのに、社長になった人だけが手柄を持っていかれたような気持ちになります。
プレスリリースを打つにしても代表取締役の名前がどんと出て、実際に立案したり企画したりしても、せいぜいお問い合わせ窓口に名前が載る程度です。

裏方で頑張るのが好きな人もいると思いますが、サービスなんかをリリースして取材を受けると、やはり代表者の言葉を積極的に記者は拾います。

結局、社長なんです。
リスクも抱えている分、会社=社長ですから、役員になって喜んでいるとちょっと異なります。そういったところから創業当初持っていた会社に対してのモチベーションが離れていったりもします。

会社は産みの親より育ての親でもありません。

俺が作ったんだ!とか俺の会社的なことを主張したい人は、中途半端に共同経営者みたいな感じで携わると、後で色々な不満が出てきます。
後で悶々とするくらいなら、自分ひとりで会社を立ち上げた方が良いのかな、と思います。割とこういう感情的なストレスって後でモチベーションに繋がってきたりするので、よく考えた方が良いのかなと思いました。

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ネームバリューもない小さな会社に求めているような人材は来ない。

スタートアップだと人を採用するにしても、どうしてもオールラウンドプレイヤーも求めがちになってしまいます。

実際人数も少ないうちだと何でも出来るような人でないと、仕事が回りません。

しかしながら、ほとんどの人は普通の会社員だと思ってやってきます。
売上の話とか仕事の数がどうこうなんて関係ありません。制作者にそれを言われたところで「仕事がなければ会社が何とかするのが当たり前だろ」という認識の人がほとんどです。

経営側が求めている人物像と実際に採用するスタッフの現実には大きな隔たりが出てきます。中にはスタートアップ専門に採用募集していて、なぜか経営のアドバイスをしたりするような変わり者もいたりします。

結局、優秀な人は転職でキャリアアップをしたいと思っており、小さな実績のない会社でキャリアアップが出来るなんて思っていません。ですから求めるような人物は幾ら採用サイトで求人を掲載しても来ません。

もちろん給料だってそんなに払えませんし、こちらの求めているような人を採用するのは難しいのです。

寧ろそれが会社の実力(=自分の実力)なので、そこを踏まえて頑張っていくしかないと思いました。

 

前職のコネなくして仕事なし。

起業した時点で営業力のある方とか、自分の人脈を利用してビジネスがしたい、ということであれば話は別ですが、僕のように完全に現場べったりの人間には前職のコネとかないとなかなか仕事がもらえません。

今はクラウドソーシングなんてあるのでそんなことない、と思う方もいらっしゃると思いますが、企業として社員を抱えてやっていくのに、クラウドソーシングやマッチングサイトなんかでもらえる仕事では食べていくのがかなり厳しいです。

価格競争になっている部分もありますので、本当に安く数を取っていくような方法でないと難しいと思います。

前職でやっていた取引先の担当者と繋がっていると、それなりに信用がありますので、仕事をもらいやすくなります。前職との兼ね合いもあるので、僕は積極的に営業をかけるようなことはしませんでしたが、運よく僕の事を気に入ってくださった担当者の方からご連絡を受けて仕事を継続的にいただけるようになりました。

数年間の間で新規の仕事も増えましたが、やはりコネがあった方が仕事をいただきやすいので、安心感があります。
Web制作会社だと実績も見られますので、実績づくりのためにも、とにかくお仕事をもらえるコネがあった方が良いと思いました。

独立志向のある方は、自分の個人の携帯番号など今の取引き先にばら撒いておくと、ひょんなところから仕事が舞い込んできたりします。個人の連絡先を教えると、人によっては休日や営業時間関係なく連絡してくる方もいらっしゃいますが、将来のことを考えると、そんな対応も種まきなのです。

 

サービスの運営だけで食っていくのはほぼ無理。

スタートアップというとアプリやWebサービスをリリースして運営で食べていこうとする企業が多いように思います。

僕の会社でも、最初はサービス運営で食べていくんだ、と意気込んでましたが、僕は絶対無理だと思っていたので、受託制作の仕事を着実に貰えるよう動いていました。

マーケティングとか色々うまくやって収益化出来る優秀な方も多くいらっしゃると思いますが、制作あがりの僕のような人間が「作れる」というだけで作っても、会社全体が食べていけるような収益を生み出すのは難しいです。

一人で食べていく分にはなんとかなるのかも知れませんが、企業として社員を抱えながら運営していくのは相当厳しいです。

ただ、Webサービスの運営やアプリをヒットさせて食べていくことを諦めたわけでもなく、受託制作の合間に色々作っていますが、やはりお客さんのある受託制作がどうしても優先になります。

そういう感じで受託制作を中心に進めていくと、いつしか新しいサービスを作ろう、というモチベーションさえもどこかに忘れてきてしまいます。
これじゃいかんな、なんて思いながらも、確実に売り上げの上がる受託制作を求めて、プレゼンしたりしているWebサービス運営会社ではなく、Web制作会社の人となっていくのです。

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僕が実際に感じたりしたことを書いてみましたが、僕の場合は自己資金で会社を立ち上げたわけではないので、しっかり給料もいただき生活出来ています。

あくまでも僕は社長ではないので、社長のプレッシャーや責任感については僕の想像を超えるのだと思います。

7年かけて軌道に乗せて、また最初からやるのはしんどいなと思う反面、自分でゼロからやってみたいな、とも思っております。