たかもブログ

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非デザイナーから見て職業Webデザイナーって本当に大変だなと思うところ

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僕はWeb業界に入る時にエンジニアからデザイナーへ華々しく転身したくて転職しました。なぜデザイナーなのかというとなんか格好良いし、みんなの目に止まって分かりやすく成果が見えて自慢できるじゃないですか、そんな軽い気持ちでした。

しかし、実際に業界に入ってみるとデザイナーって大変過ぎ、成果物の華やかさに対して地味な作業の積み重ねだということを知りました。
素人目に見ていると、参考のデザインをみたりしながら、文字と写真を並べたりすれば自分でも出来そうじゃん、なんて甘いことを考えていたら大間違いです。
出来たデザインがシンプルで簡単そうに見えて、実際に自分で文字を配置なんてしてみると、全然違う、全然うまくいきません。

 

で、結局会社から求められるままにディレクターやったりコード書いたりして、それでもどこか自分の気持ちに見切りが付かず、今では個人でクソゲー作って40過ぎの同級生にみせてキャッキャ言ってる有様です。

しかし、ディレクターとして窓口に立つということはデザイナーの作ったデザインに対してのダメ出しやどうしたら良いかを一緒に考えることになります。そういう意味では自分でデザインしないけれどデザインには関わってきた自負はあります。

制作では結構デザイナーにダメ出ししたり、色々要望を吹っかける僕ですが、デザイナーってすごい大変だな、と思っています。

どんなところが具体的に大変なのかまとめてみました。

 

結構考える時間が必要な割にはスピードが求められる。

デザインのレイアウトのアイデアって結構考えるのに時間がかかると思います。
しかし、制作現場ではとにかくスピードが求められます。僕が最初にデザイン会社に入って驚いたというか恐怖を感じたのがスピード感です。

見積りや経営に携わってからは何故スピードが求められるのかはよく分かったのですが、最初に業界に入った時は「スピードスピード」にビックリした覚えがあります。

結局、間に合わなかったり、クライアントや社内で納得できるデザインに仕上がらないと、時間のしわ寄せはすべて自分に来てしまい、終電まで残業や徹夜が当たり前の世界になってきます。

 

プログラムと違って正解がない。

プログラムは簡単にいってしまうと仕様通りに動けばそれでOKです。
もちろんコードを美しく書くとか、負荷が少ないようにロジックを組むとか色々と考えないといけないことはあります。

しかし、オーダー通りに動けば問題はありません。それが正解なんです。

デザインはというと、正解はクライアントが持っていたりいなかったりするので、そこを引き当てないといけません。つまり、自分がいくらセンス良くて格好良いと思っていてもクライアントのセンスを一致しない限り、それは駄目なデザインだと言われてしまいます。

そういったことで結構投げ出すデザイナーも見てきましたが、基本的には我慢と忍耐が必要な作業だと思います。

 

個性が時には邪魔になる。

デザイナーになりたい、というくらいの人ですからみんなモノづくりが好きで、自分なりのデザインに対する好き嫌いや価値観なんてものを持っていると思います。

デザインを否定されるということは、その個性を否定されるようなことも多々あります。ディレクションをやっているとデザイナーには言い難いので、ディレクターに伝えられることが多いのですが、デザイナーを替えて欲しい、他のデザイナーのデザインも見てみたい、などデザイナー自身のセンスや個性が否定されるようなことが結構あります。

そういうのって直接的に言われなくても、なんとなく気が付くもんです。
鋼のような心の持ち主だったら「なにくそ!」とポジティブなパワーに変えられると思うのですが、みんながみんなそんなわけにはいかないですよね。

自分だったら結構落ち込むか、クライアントの悪口言って不貞腐れるような気もします。

 

嵌ってしまうとゴールが見えない。

クライアントとセンスが合わないかったり、イメージしているデザインがどんなものなのかが漠然としているとゴールが見えなくなってしまうことがあります。
もちろん、それを牽引してクライアントの求めるイメージを具現化するのがお仕事なわけですが、一緒にやっているとどうしたいのか分からなくなってくるようなことがあります。

色々な雑誌をみたり、サイトをみたりイメージを共有しているつもりでも、完成したデザインを見せると、そうではないと言われる。デザイナーの腕次第な部分もあるのですが、デザイナー自身も何度も駄目出しされて修正をやっていると自分で何が良くて何がゴールなのか分からなくなってくることがあるようです。

そうなってくると見ていて気の毒になるくらい苦痛を伴う作業に見えます。
ゴールというか、相手がどうしたいのか分からないというのは結構苦痛ですよね。

デザインのみならず人間関係もそうですが、精神的に結構疲れそうです。

 

デザイナーというだけで一流のセンスやアイデアを求められる。

これが一番見ていて辛いというか気の毒に感じます。
デザイナーという肩書を見ると、大抵の人はセンスやアイデアを求めます。

もちろんそういうものなので、それが嫌ならデザイナーを名乗らなきゃ良い話なのですが、これが逃れられない関門のように思います。

「そこはデザイナーさんの視点で何か良いアイデアをくださいよ」
「もっとデザインしてください」
「デザイナーさんのセンスで格好良く仕上げてください」

制作をしているとこのようなことを言われているのを見る機会が結構ありますが、引き受けた方は大変だな、としみじみ思います。

でも、自分が依頼する時は同じようなことを求めてしまうんですけどね。
やっぱりデザイナーの肩書に非デザイナーは自分にないセンスやアイデアを求めてしまうんです。

 

誰でも口を出せてしまう。

デザインのことは分からない、と非デザイナーは言う割にはデザインって誰にでも好き嫌いや格好良い格好悪いが言えてしまう。誰にでも口を出せてしまうものです。

逆にシステムだと、それが実現可否かエンジニア次第です。
ですので、エンジニアは結構強気な立場で「それは不可能です」「いやいや仕様変更でしょそれは」なんてことを言いやすいです。 

デザインに関しては色々な人がそれなりに自分の好きとか格好良いを持っているもんで、それがなかなか厄介です。

Aさんはこれが良いというけどBさんはこっちのこの要素も取り入れたい、と言う。
デザイナーの作ったデザインを囲って色んな人が色々自分のイメージをぶつけてくるわけです。

それをまとめて納得のいくデザインを作るというは結構大変だと思います。
僕だったらみんなに好き勝手に色々意見言われた時点で「じゃあお前らやれよ!」くらいの気持ちになってしまいます。(無茶なシステム仕様投げかけられてもそう思っていますが)

現にそうなって「私にはできません」と匙を投げてしまう人もいるくらいですから、なかなか辛そうです。

 

デザインだけではなく、コードを書けないとやっていけなくなっている

今やWebデザインだけをやっているのは紙のデザインをやっている人だけなのではないでしょうか。よくパンフレットを作ったデザイナーがWebも一緒にやるけれどコーディングは出来ないからコーディングだけやって欲しいなんていう仕事があります。

こういう時デザイナーは本当にデザインしかしません。

しかし、WebデザイナーとなるとコーディングやJavaScriptでのアニメーションなどWebサイトの表現までを出来ないといけなくなってきています。

最近は専門学校でもデザイン以外にコーディングまですべて習得させているようで、新卒の方でも一通りは出来るのが半ば常識になっています。

Webデザインは、HTMLやJavaScriptで表現可能かどうかなども配慮したうえでデザインしないといけませんので、当然知識としては持っていた方が良いのですが、必須になってきているのがなかなか厳しいところです。

デザインに求められる表面的なきれいさや格好良さ、それをHTMLを駆使して実現するスキルが求められます。

Webデザイナーと言いつつデザインだけでは駄目な感じに制作業界はなってきています。エンジニアは取りあえずプログラムが出来れば何とかなりますが、デザイナーに求められることを今後も多くなっていきそうな気がします。

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大変だなと思う点ばかりを挙げましたがデザイナーを見ていると、やはりデザインを褒めてもらえたり、クライアントが満足してくれた時の喜びはたまらないみたいです。

デザイナーのみならず、肩書を何でも名乗れてしまうWeb業界ですが、それなりに肩書の重しみたいなものはありますよね。