ギャンブル三昧の日々からの脱却。
もう数年前の話になるが、パチスロとパチンコに嵌っていた時期があり、かなりの金額をパチンコ店に持っていかれた。収支を付けていないので分からないが数百万は負けたと思う。
それが原因で結婚すると決まった時に貯金がほぼなかったり、色々と苦労はしたが今となってはそれも思い出だ。
今は、独り飲みをしてトイレに行きたくなると、綺麗なトイレを求めてパチンコ店へ入ることはあるが、あまり打ちたいとは思わなくなった。
たまに1,000円くらい酔った勢いで、トイレ利用料として打ってみたりすることもあるが、当たるとも思ってないし、実際当たらないし、何の期待もしなくなった。
取りあえず依存からは抜け出したと思いたい。
嵌りの始まり
そもそも、ギャンブル自体興味なかった。
パチンコ店自体通りかかってちょっと扉が開く、音がうるさいという印象があり、近づくことすらなかった。
どうしても嵌ってしまったかというと、酔い覚ましに散歩していて、猛烈な便意を催し、トイレを使わせてもらうためにパチンコ店に入って、お礼代わりにちょっと打ったりしていたのが始まりだった。
パチンコ店のトイレが凄くきれいなことを、この時初めて知った。
それからトイレを借りる度に、酔った勢いで天才バカボンをトイレを借りる度にちょっとだけやっていた。
勝てるとも思ってないし、ゲームセンターでゲームをやるような感覚だった。
当時プライベートで結構嫌なこと続きで酒を飲んではフラフラと散歩などしており、腹を下してはパチンコ店のトイレを借りるようになっていた。
ある日、2,000円くらいで大当たり⇒確変を一回して数千円儲かったのが、パチンコに対しての興味の始まりだった。
ちょうど、その頃務めていたシステム会社を辞めて、Web業界へ転職しようとしており、会社を辞めて少しの間働かないでうろちょろしていた。
転職活動は真面目にやっていたが、それだけだとかなり暇な時間は出来る。
システム会社では残業代やボーナスも出ていて、貯金はあったし、今じゃないと出来ないことをやってみるか。
一回勝ったことで味を占めていたパチンコにいつもは2,000円程度のところをがっつり数万円とか使ってやってみたらどうなんだろう。
こんな好奇心でパチンコを打って、最初はしっかり数万円負けたと思う。
その時はバカバカしいと思って使って良い金額を自分で決めていて、その額負けたらきっぱりやめた。
そして、やり方も良く分からないパチスロ(アントニオ猪木)を酔った勢いで打ったら、7万円近く勝ったところから、パチスロへのど嵌りが始まった。
酔っていたこともあり、ボーナスが入ったことにも気が付かず、ひたすらコインを入れて左から順番に押していて、隣の人にボーナス中は左と言われたら左を打つんだよ、とボーナス中の打ち方を教わりながら打っていたくらいだ。
これでも7万円も勝てるんだ。
研究すればもっといけるんじゃないか。
転職活動はしていたが、それ以外の時間はすべてパチスロに費やすようになっていた。僕はアルコールもそうだが、依存しやすい体質なんだと思う。
頭の中はパチスロ三昧
そこからは転職先が決まっても、土日はすべてパチスロ。
現在の妻と付き合っている時も、待ち合わせ前やデートから帰る途中にもすぐにパチスロ。パチスロパチスロの日々だった。
コンビニでパチスロ雑誌を購入して寝る前に読むのが楽しみだった。
特に漫画の体験記にはギャンブル意欲を掻き立てられた。
腕を磨くため、プレイステーションのパチスロゲームを買ったりもした。
目押しがどうしても出来なくて実機を買おうと思ったこともあったが、置く場所もなくギリギリ買わなかった。(危なかった。処分するのが大変そうだし。)
休日はパチスロをやるために、意味なく別の駅へ移動して旅打ちもどきのこともやったりした。今考えるとどうしてそんなことやろうと思ったのかも思い出せないが、缶チューハイ片手に移動しつつ、降りた駅で勝負する、というのがたまらなく楽しかった。
小田急相模原という小田急の駅があるのだが、何故か小田急相模原では勝てる、というジンクスを信じて電車賃を払って小田急相模原へ行ったりしていた。
一度万枚(一万枚)出して20万近く勝った時があり、そんな時は朝から閉店まで飯も食べずに打ち込んでいた。負けている額の方が圧倒的に多いのに、勝った時の記憶で上書きされてしまうのがギャンブルの怖いところだ。
一日で8万負けて、次の日に10万買ってギリギリプラス。
もしくは8万負けを1万負けまで戻した。
そんなことに一喜一憂していた。
パチンコ店とATMの往復も何度したことか。
不思議なことに、勝った時には贅沢に美味しい物を食べよう、という発想になるかと思いきや、僕の場合は勝った時こそ吉野家で牛丼とか質素になり、負けた時はどうでも良くなって居酒屋で飲んだりしていた。
この心理状態は何なんだろうか。
4号機が去ってパチンコへ
爆発的にヒットしたパチスロ北斗の拳など4号機が入れ替わってから、しばらくはパチスロを打っていたが、同じような興奮を得ることが出来ず、今度はパチンコへ。
海物語をやってみたら数千円で勝ったのをきっかけに、パチンコはパチスロより勝ちやすいという根拠のない理屈でパチンコを打ち始めた。
これだけパチスロに嵌っていた癖に目押しが出来ず、ボーナス確定になると必ず店員を呼んでいた迷惑者の僕にとって、パチンコは勝手に揃ってくれるので気楽に打てるのが良かった。正直、パチスロで目押しが出来なくて店員を毎回呼ぶのは恥ずかしかった。
結婚目前。貯金がなくなってきた
そんな感じでギャンブルを20代後半から30代まで続けてきて、そろそろ結婚でも、と思ったときには貯金が尽きてきていた。
Web業界に入ってから、エンジニア時代よりは給与も下がったが、貯金が減るのは別物で、ギャンブルが原因だということは明白だった。
大学時代に趣味だったDTMの道具やギターなどすべて売った。
お金になりそうな物はほとんど売った。
結婚の話が出て来て、あまりに金がなく焦っていた。
その頃から金がないことをなかったことにしようとギャンブルから遠ざかっていった。これで金がないことがばれたら結婚破棄になるのではないか。そうなると色々親も巻き込みそうだし厄介だ。
自意識過剰なのか世間体をすごく気にする自分にとって金がなくて結婚破棄みたいなことだけは避けたかった。
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結婚して、しばらくギャンブル出来ない環境になるとそれはそれで慣れてくるもので、それでも子供が出来る前はちょこちょこと1円パチンコなどを遊びでやったりもしていた。
しかし、結婚すると金の出入りが分かってしまうので、なかなか独身の時のように金も時間も使えない。ちまちまやっても結局負けるし、そのうち熱中していた感覚がなくなっていった。
子供が出来てからは、更に時間がなくなり、今はたまに行く独り飲みで便意を催したらトイレを借りる程度になった。恐らく一度みっちりやったらまた元に戻るんだろう。今はとにかく息子の幼稚園代をストックしていかないといけないので、やれないだろうが、やり始めたらまた戻ってしまうだろう。
そもそもやらなければ、金と時間の遠回りはなかったかも知れない。
だけど、やった経験は人生において無駄ではないと思う。
どっぷり嵌って帰って来れたから良かったが、そのまま嵌っていたらどうなっていたのだろう。気が弱いから借金までは出来なかったとは思うが。
あれはあれで楽しかった。